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2015年11月23日

第14回日本睡眠歯科学会総会・学術集会開催

「もっと知ろう 睡眠障害」をメインテーマに

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 さる11月23日(月)、藤田保健衛生大学(愛知県)において、第14回日本睡眠歯科学会総会・学術集会(今村基尊大会長、外木守雄理事長)が「もっと知ろう 睡眠障害」をメインテーマに開催され、盛会となった。

 午前に行われた教育講演「睡眠障害とその合併症」では、北島剛司氏(藤田保健衛生大医学部精神神経科学講座)が登壇。睡眠障害と生活習慣病、気分障害のそれぞれについて解説したうえで、これらは互いに影響し合うことがデータ等で示されているとした。また、実際の対処法について症例も交えて紹介し、「特に睡眠障害は、睡眠時無呼吸症候群や服用薬、うつなどさまざまな要因が重なり合って生じていることも多々あるため、その一つひとつに対し細かくアプローチすることが必要だ」と述べた。

 午後の部はまず、特別講演に中山明峰氏(名古屋市立大耳鼻咽喉科准教授、同大睡眠医療センター部長)が招聘された。「新たなる睡眠医療に対する外科的治療―睡眠歯科医の必要性―」と題して講演を行った氏は、睡眠医療において現在、手術という根治術が再び注目を集めていると言及。そのうえで、耳鼻咽喉科や歯科が単独で治療を行うのではなく、連携して治療に臨むことで成功率が高まるとし、睡眠医療への歯科の介入の必要性を説いた。その後、自身が勤務している施設における医科歯科連携の実際や最新治療について紹介し、参加者の耳目を集めた。

 続いて、シンポジウム「なぜ睡眠歯科医療は広まらないのか? その2 地域病院から考える」が行われた。コーディネーターの山本知由氏(市立四日市病院歯科口腔外科)と佐々生康宏氏(山口県開業)による進行のもと、4名の歯科医師・医師が登壇。各自が勤務している病院における睡眠歯科医療の実際や、今後改善すべき課題などについて発表し合った。最後に行われた演者全員によるディスカッションでは、睡眠歯科医療が広まらない理由として「そもそも病院に歯科がない」「歯科があっても睡眠歯科医療に関心がない、積極的でない」などが挙げられ、各科の専門家に興味をもってもらえるようなアプローチや、院内での勉強会など地道なところから顔をつなげていくことがますます必要になるという意見で一致した。

 この他、一般口演やポスター発表も多数行われ、質疑応答では終始意見交換がなされるなど、非常に活気のある会であった。