さる12月23日（水）、福岡県歯科医師会館において、平成27年度災害歯科コーディネーター研修会（日本歯科医師会主催、福岡県歯科医師会共催）が開催された。

　開会後、小枝義典氏（日本歯科医師会常務理事）、守田邦昭氏（福岡県歯科医師会副会長）、松本義明氏（福岡県保健医療介護部長）、桐畑陽一郎氏（福岡県警察本部刑事部鑑識課長）による挨拶後、5名の担当者による講演が行われた。以下に演題・演者を示す。

・「総論」（柳川忠廣氏、日本歯科医師会災害時対策・警察歯科総合検討会議委員）
・「災害時における歯科医師会の対応」（大黒英貴氏、岩手県歯科医師会専務理事）
・「災害時の医療チーム活動について―JMATを中心として」（石井正三氏、日本医師会常任理事）
・「身元確認作業の実施について」（杉浦隆彦氏、日本歯科医師会災害時対策・警察歯科総合検討会議委員）
・「災害時歯科保健医療における口腔アセスメント」（中久木康一氏、医歯大大学院顎顔面外科学助教）

　なかでも、柳川氏は東日本大震災で担当常務理事として日本歯科医師会の対策本部を統括し、歯科医療従事者の派遣や被災地の歯科医療機関の復興支援にあたった経験を盛り込みながら、災害歯科コーディネーターの役割や歯科診療情報の標準化の必要性を強調した。また、平成26年度の研修会から医科の講師として、東日本大震災で活躍したJMAT（Japan。Medical Association Team：日本医師会災害医療チーム）の結成にあたり、中心的な役割を果たした石井氏は、組織力を活用した災害支援や人工衛星を利用した防災訓練の実施など、災害医療に関する多岐にわたる内容を披露した。