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2016年2月14日

第16回奥羽大学歯学部同窓会卒後研修セミナー「日本人の咬合を語る」開催

丸茂義二氏を講師に、全国各地から350名を集める盛況に

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 さる2月14日(日)、六本木アカデミーヒルズ(東京都)において「第16回奥羽大学歯学部同窓会卒後研修セミナー」が、「『日本人の咬合を語る』―民族、骨格、生活習慣、食習慣から読み解く日本人のための咬合論―」(奥羽大学歯学部同窓会主催、渡辺友彦会長、大河雅之学術部長)と題して開催された。講師には、全身と咬合との関連についての講演・執筆で人気の丸茂義二氏(日歯大名誉教授)を招聘。午前10時から昼食休憩を挟み午後5時前まで、ワンマンにて白熱した講演を行った。

 標記の演題を開始するにあたり、丸茂氏はまず(1)ヒトの咬合はどうあるべきか、(2)ヒトの咬合が侵されるとき、(3)ヒトの咬合構成のメカニズム、(4)Grinder咀嚼のための形態学、(5)補綴時の顎位と咬合様式、(6)咬合採得とエラー、(7)咀嚼できる咬合の製作法、(8)咀嚼できない条件と改善、(9)最後に、の9項目のアジェンダを提示。日本人の食生活に応じた咬合とは何か、ヒトが進化する過程で獲得してきた脊椎と頭蓋の位置関係によって咬合はどう変わってきたか、弥生人はなぜ故意に犬歯を抜歯して咀嚼していたのか、といった進化論的な話題にはじまり、日本の食物を咀嚼し味わうために必要なGrinder咀嚼を与えることの重要性やそのための咬合調整の考え方、さらには咀嚼回数と食後血糖値の相関や血糖値の急激な変化によって起きる血管内皮へのダメージについてまで、広範にわたる内容を提示。締めくくりには、「グラインディングで健康を守ること、そのことでこれからの日本人の発展につなげたい」と述べ、質疑応答も活発に行われた(参加者によるレポート記事を『QDT Art & Practice』近号に掲載予定)。