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2016年3月13日

5-D Japan第7回総会開催

水上哲也氏を招聘し、再生医療の臨床的意義について議論される

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 さる3月13日(日)、シェーンバッハ・サボー(東京都)において、5-D Japan第7回総会が350名以上の参加者を集め盛大に開催された。

 午前の部では、3名の演者による会員発表が行われた。鈴木親良氏(静岡県開業)は、チタンメッシュを用いたGBRおよびインプラント治療をテーマに講演。7年経過ケースの予後を紹介したほか、術後にチタンメッシュが露出してしまう原因や、そうした合併症を予防するための外科手技のポイントについて考察した。菊地康司氏(千葉県開業)は、重度酸蝕症により全顎的に咬耗・象牙質の露出が見られた症例を供覧。顔貌、口唇と歯のバランス、咬合など解剖学的・生物学的な要素などを考慮しながら治療を行い、審美性の高い結果を得たプロセスを紹介した。奥野幾久氏(大阪府開業)は、有床義歯の製作法について従来法をモディファイし、よりシンプルかつ患者の負担を軽減したプロセスを紹介した。また、注目が高まりつつあるインプラントオーバーデンチャーが義歯に比べてもよりシビアな治療法であることを断りつつ、適切な埋入ポジションとアタッチメントセレクションについて提言した。別会場ではDHセッションも併催され、田島菜穂子氏(東京都勤務・歯科衛生士)がメインテナンスの継続性について解説した。

 午後の部では、水上哲也氏(福岡県開業)と、5-D Japanファウンダーである石川知弘氏(静岡県開業)による症例検討会「どう使いこなすか、再生医療。あきらめないで、と伝えるために」が行われた。骨吸収が進行した症例における歯周再生治療の鍵、根分岐部病変への再生療法、重度歯周病患者における審美的改善など、あらかじめ複数のテーマが設定され、それぞれについて水上氏、石川氏が交互に講演し、会場からの質疑を受けるという形式で進行し、二人の考え方や治療法の共通点・相違点などをもとに、熱のこもった議論が展開された。さらには、再生治療において創傷治癒の障害となる感染、出血、組織の挫滅といったエラーを起こさないための基本的な外科手技―切開線の設定、減張切開のポイント、適切な縫合法―についても両氏より丁寧に解説がなされ、参加者の耳目を集めた。

 再生治療による天然歯の保存と延命がテーマの討論会ではあったが、インプラント治療、さらには歯科医療全般においてもわが国有数の臨床医として名高い両氏の講演ということもあり、ディスカッション時には幅広い内容の質問が数多くなされ、終始盛況を博した。年々熱気が高まる総会に比例し、本スタディグループがますます発展していくことを予感させる一日となった。