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2016年3月13日

日本ヘルスケア歯科学会オピニオンメンバー会議併催講演会開催

根面う蝕の長期管理症例に参加者唸る

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 さる3月13日(日)、東京八重洲ホール(東京都)において、一般社団法人日本ヘルスケア歯科学会(杉山精一代表)によるオピニオンメンバー会議併催講演会が「根面う蝕への理解を深める」をテーマに開催された。

 はじめに、杉山精一氏(千葉県開業)が、本講演会の目的として、年々増加している高齢の患者さんに多くみられる根面う蝕について、現状でのエビデンスを明らかにすることが求められていると述べた。

 次に、久保至誠氏(長崎大病院医療教育開発センター)が「根面う蝕に関する現状と今後の課題」と題して講演した。久保氏は、自身が特定非営利活動法人日本歯科保存学会でガイドライン作成委員として携わった「う蝕治療ガイドライン」をベースに、根面う蝕の診断基準や治療方法に関して解説。自身の症例も示しながら、根面う蝕は、感染歯質の範囲が曖昧であるため、エナメル質う蝕のように切削・修復する対処療法は実は現実的ではなく、患者さんのQOLを最優先し、時間軸で考えて管理していく姿勢、すなわち「早期発見、早期管理」が適切であるとした。講演中には適宜質疑応答が活発になされた。

 最後に、杉山氏は「今回、根面う蝕にはエビデンスが明らかでないことが多いということが確認できた。われわれも口腔内写真など定期的に記録を録っているが、今後は根面う蝕に焦点を当てた記録も録ることが必要であろう」と結んだ。