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2016年3月27日

Osseo Skarp Institute Study Club第18回Conference in 東京開催

「ソーセージテクニック」で有名なIstvan Urban氏を特別講師に迎え、好評を博す

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 さる3月27日(日)、日本歯科大学(東京都)において、Osseo Skarp Institute(O.S.I.)Study Club第18回Conference in 東京が約120名を集め開催された。今回は恒例となっている会員発表は行われず、世界的に注目されているIstvan Urban氏(ハンガリー開業、米国・ロマリンダ大)を招聘し特別講演会として開催された。

 講演は3部構成とされ、第1部では氏の代名詞ともいえる骨造成法、「ソーセージテクニック」が概説された。移植骨は下顎枝から採取した自家骨とBio-Ossが50%ずつの混合材料を用い、メンブレンにはBio-Gideを使うと説明。加えて、本テクニックの開発に至るまでの自身のターニングポイントとなった症例を供覧し、観衆の耳目を集めた。

 第2部は、下顎における骨造成に特化し、臼歯部と前歯部に分けて詳説した。臼歯部ではおもに解剖学的側面から術式を語り、各器具の動かし方まで動画を交えて自身のテクニックを披露した。なかでも、舌側のデリケートな切開を映した動画は聴講者の反響が大きかった。下顎前歯部に関しては、とくにメンブレンの取り扱い方についてピンを留める角度やメンブレンの張り方を懇切丁寧に説明し、造成箇所を動かないように安定させることが重要だと強調した。

 第3部は、上顎前歯部と軟組織のマネージメントに言及。氏は上顎前歯部の欠損状態を口腔前庭の有無、角化歯肉の量、隣在歯の骨レベルなどによって4タイプに分類し、それぞれに適したアプローチを、症例を通して示した。また、骨造成後に軟組織移植が必要な場合は、インプラントを露出させる2ヵ月前に行うと良好な結果が得られると臨床実感を語った。

 最後にはディスカッションの時間が設けられた。ソーセージテクニックを用いた部位に埋入されたインプラントのインプラント周囲炎罹患率に関するきわどい質問なども飛び出し、会場は大いに盛り上がった。なお、『クインテッセンス・デンタル・インプラントロジー』2016年5号ではUrban氏のインタビュー記事を掲載する予定である。