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2016年4月25日

自民党勉強会「日本の歯科医療技術が世界を救う」開催

歯科技工士・桑田正博氏を招聘

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 さる4月25日(月)、衆議院第2議員会館第3会議室(東京都)において、自民党議員による勉強会「日本の歯科医療技術が世界を救う」が開催された(赤間二郎世話人代表)。本勉強会は、自民党の若手議員、および省庁(厚生労働省、文部科学省、経済産業省、外務省)の職員およそ20名ほどに向け、歯科医療がいかに世界人類の全身の健康に寄与しているかを伝えるために開かれたもの。講師には桑田正博氏(歯科技工士、愛歯技工専門学校名誉校長)が招聘され、約40分の講演と20分間の質疑応答が行われた。

 桑田氏は冒頭、現在では当然のものとなっているセラミックを用いた補綴・修復治療がいかに進化してきたかを概説。1962年に渡米して以来、Gerry Katz氏(歯科技工士)とSigmund Katz氏(工学博士、Gerry氏の夫)との出会いがきっかけでメタルセラミックスの開発に携わったことや、Schyler CH(歯科医師、のちに桑田氏とともにエマージェンスプロファイルのコンセプトを発表した)の後押しを受けて世界中にメタルセラミックスを広めた経験について語った。

 その後、桑田氏は自らの哲学(フィロソフィー)について言及。「技術・学術は目的ではなく、目標に正しく向かうための手段である」「歯科の道を通じて、人類の健康福祉に寄与すること」と記されたスライドを提示し、近年の海外での講演活動について紹介。韓国・ネパール・ラオス・ウクライナ、そしてロシアなどでの講演や聴講者とのコミュニケーション体験から、世界の人々がいかに日本の歯科技工士の教育水準の高さや、歯科技工士の資格が国家資格として確立している点に敬意を払っているかについて述べた。その上で、「このように、日本の歯科が優れていること、頑張っていることを行政の皆さんに知っていただきたい」「今後も民間外交として、日本の歯科の素晴らしさを世界に伝えていきたい」「ものを食べること、話をすること、そして全身の健康のすべてに口腔と歯科はかかわっている」など、歯科技工士として半世紀にわたり世界中を駆け巡ってきた経験を基に歯科の重要性を訴えた。

 講演中は桑田氏の話に相槌をうつ議員もみられ、また講演後の質疑応答でも「世界における日本の歯科技工士のレベルは?」「歯科の診療報酬はこの20年変わっていないが、その点についてどう思うか?」などさまざまな質問が挙がり、桑田氏はそのすべてに真摯に回答していた。結果、1時間の予定をわずかに超過する盛り上がりを見せた本勉強会。これを契機に、歯科医療をめぐる環境の変化が起きることに期待したい。