Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2016年5月15日

SHOFU BIOFIX IMPLANT CONGRESS 2016開催

バイオフィックスインプラントの発売を記念して盛大に

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる5月15日(日)、ベルサール神田(東京都)において、SHOFU BIOFIX IMPLANT CONGRESS 2016(東京都、奥山 勉代表取締役社長)が約300名の参加者を集め、盛大に開催された。本会は、株式会社松風が開発した純国産・歯科用インプラント「バイオフィックスインプラント」の発売を記念して開催されたもの。

 はじめに、春日井昇平氏(医歯大大学院教授)が登壇し、インプラントの基本構造について解説した後、現在のインプラントデザインのトレンドに合致するバイオフィックスインプラントの各特徴について述べた。その後、大学に持ち込まれたトラブル症例を供覧しながら、患者から信頼されるインプラント治療を行うための心構えについて語った。

 次いで、渡邉文彦氏(日歯大新潟生命歯学部教授)は、インプラントバッシングが行われた近年の世情を踏まえたうえで、信頼されるインプラント治療には審美性、機能性そして長期予後が必要であるとした。それらを達成するためにインプラント周囲組織、特に軟組織が重要であるとして自身の研究を発表した。

 木村健二氏(協和デンタルラボラトリー)によるランチョンセミナーの後、前田芳信氏(阪大大学院教授)を座長として、「超高齢社会を支え、健康寿命に寄与するインプラント治療を考える」をテーマとしたシンポジウムが行われた。まず、前田氏はIOD治療を行うにあたって、患者が何歳くらいの時に治療介入すべきか、咬合支持に必要なインプラント本数は何本かなど、支台の数と義歯の動きの関係などについて論文や氏の研究結果をもとに語った。次に近藤尚知氏(岩手医科大教授)が登壇し、高齢者治療においてよく見られる開口障害、嘔吐反射のある患者や印象材の誤嚥リスクなどへの対応として口腔内光学スキャナーによる印象採得について解説。精度や適応症について検証し、少数歯欠損に対するインプラント症例においては臨床応用可能としたが、歯科技工所との連携などにまだ課題が残ると結論付けた。その後、田中譲治氏(千葉県開業)は、高齢者では手が不自由になり、義歯の取り外しや清掃が困難になることによる口腔清掃状態の低下、アタッチメントやクラスプなどによる咬傷などの問題が発生することを挙げ、要介護を見据えたインプラントオーバーデンチャーへの設計変更などについて解説した。

 最後に、「純国産・バイオフィックス インプラントへの期待」をテーマとして、まず大塚 隆氏(神奈川県開業)が日本補綴歯科学会のガイドラインをもとにさまざまな症例の診査・診断、治療計画を提示し、長期予後を振り返った。次に、藤川謙次氏(東京都開業)は診査の甘さによって埋入ポジションが悪く審美トラブルとなった症例や、適合の悪い上部構造によってスクリュー破折などのトラブルになった症例を供覧した。両氏は、バイオフィックスインプラントの信頼性を高く評価しながらも、アバットメントや各ツールのさらなる充実を求めた。最後に畑中卓哉氏(Fit In)はバイオフィックスインプラントの開発に携わった経緯より、その構造上の特徴について解説。また、フレーム材トリニアを用いたインプラント上部構造の製作法に言及した。