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2016年5月29日

大阪大学歯学部同窓会臨床談話会開催

「歯科金属アレルギーを考える――経験した1000症例からわかったこと」

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 さる5月29日(日)、大阪大学歯学部記念会館(大阪府)にて、大阪大学歯学部同窓会第479回臨床談話会が「歯科金属アレルギーを考える――経験した1000症例からわかったこと」と題して、約1,000名の歯科金属アレルギー症例の分析を行い、歯科金属・材料アレルギーの論文・著書のある高 永和氏(大阪府開業)が講師に迎えられ、開催された。

 歯科金属アレルギーは、歯科金属をいれた粘膜に症状が出ると思われがちである。しかし、高氏が約1,000名の歯科金属アレルギー患者を調査したところ、口腔内の金属が口腔粘膜や消化管から吸収され、血行性に全身に運ばれ、到達した口腔内から離れた遠隔の部位で皮膚アレルギー(アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、湿疹、乾癬など)を起こす、「全身性接触皮膚炎」として表現されることが多いことが明らかになったと、その臨床像を述べた。
 歯科金属アレルギーの診断として皮膚科でパッチテストを行ってもらうが、感度が低く偽陰性を呈すこともある。被疑原因金属を切削・撤去するときには、原因金属の一部が口腔内に飛散するため、症状が一時的に悪化する。そのことが、歯科金属アレルギーの診断の1つになり、治る兆しとなる、と高氏は説明。皮膚の症状の原因が歯科金属アレルギーであれば、被疑原因金属を撤去後9か月ほどで皮膚の症状が治まる、と述べた。

 また、歯科金属以外でも、レジン、化学物質、チタンなどの歯科材料でもアレルギーが起こることを示した。