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2016年6月16日

第12回PRD国際シンポジウムが成功裏に終幕

日本人演者も活躍

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 さる6月16日(木)から19日(日)の4日間、Boston Marriott Copley Place(米国)にて、The 12th International Symposium on Periodontics & Restorative Dentistry(第12回PRD国際シンポジウム:The Quintessence International Publishing Group主催、Dr.Myron Nevins、Dr.Marc L.Nevins大会長)が「Optimal Solutions for Complex Esthetic and Surgical Challenges」をテーマに開催され盛会となった。

 本シンポジウムは1983年から3年に一度開催されており、毎回、世界各国から著名な演者を招聘。今大会では4日間にわたり75名の演者により13題のセッションが行われた。日本からは、3日目に山本敦彦氏(大阪府開業)が「Predictable Treatment of Peri-Implantitis Using Er:YAG Laser-Water Spray Micro-Explosions」、4日目に鈴木真名氏(東京都開業)が「Microscopic Approaches for Root Coverage: Long-Term Observation of Recipient Site of Connective Tissue Grafts」、佐々木 猛氏(大阪府開業)が「Coexistence of Natural Teeth and Implants in Periodontally Compromised Patients」と題してそれぞれ講演した。とくに鈴木氏の講演は会場が満員になるほど好評であった。

 今大会の講演内容における全体的な傾向の1つとして、"Minimally Invasive"が挙げられる。セラミック修復においては天然歯形態をできるかぎり温存した最小限のエナメル質形成が重要視され、審美修復治療で名高いDr.Mauro Fradeani(イタリア開業)が"Keep Enamel is Keyword"と強調していたのが印象的であった。また、無歯顎患者に対するインプラント治療においては、ボーンアンカードブリッジからインプラントオーバーデンチャーへの移行がうかがわれた。さらに、根面被覆術においては今なお結合組織移植術がゴールドスタンダードであるが、口蓋からの移植片採取にともなう患者の痛みを配慮し、成長因子などを用いた代替手段の検討がなされていた。それに関連し、Dr.Michael K.McGuire(米国開業)が歯間乳頭回復に線維芽細胞を注入する方法を提示していた。

 そのほか、"Digital Dentistry" "Ceramic Solution" "Periodontal Regeneration" "Peri-Implantitis"などをテーマとしたセッションがあり、重鎮と呼ばれる演者から新進気鋭の若手までが熱のこもった講演を行い、どの会場も多くの参加者で賑わいをみせていた。なお、次回の第13回PRD国際シンポジウムは2019年6月6日(木)から9日(日)に同会場にて開催される予定。3年後はどのようなテーマで、何が語られるのか期待したい。