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2016年7月2日

第10回Institute for Oral Reconstruction例会 in 岐阜開催

「歯科医師人生を見直す」をテーマに

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 さる7月2日(土)、3日(日)の両日、十八楼(岐阜県)において、「第10回Institute for Oral Reconstruction(I.O.R.)例会 in 岐阜」(竹下賢仁主宰)が約30名の会員メンバーを集めて開催された。開会の挨拶では竹下氏(東京都開業)が登壇。I.O.R.というチームで活動する意義や歯科医師として生きる意味といった熱いメッセージを会員へ送った。

 初日の座長は船木勝介氏(東京都開業)が務め、例会の皮切りとなる演者の榊原 亨氏(愛知県開業)が硬・軟組織移植を用いてインプラント周囲を審美的に修復した症例を供覧した。講演の最後には、世界のスタンダードに則って研究や論文執筆に励むべきと述べた。次に、石黒慎太郎氏(愛知県開業)は本例会のテーマに沿って自身のインプラント治療歴10年を振り返り、失敗症例も包み隠さず赤裸々に語り、臨床記録を緻密につけることが重要であると結んだ。そして、柴田怜生氏(愛知県勤務)は、9名の歯周病患者の食生活を記録し、厚生労働省が定める栄養摂取の基準に照らし合わせて過不足を割り出し、その影響を調べる栄養学的アプローチを示した。定村正之氏(東京都開業)は「患者待ち時間を少なくするにはどのようなシステムが有効か?」とキャッチーなタイトルをつけ、スタッフ数の変化や患者さんへの声掛け、コンサルティングなど多くの因子を考察し、待ち時間を少なくするための院内システムの改善を論じた。

 2日目は神保 良氏(スウェーデン・マルメ大)が座長を務め、まず内藤禎人氏(徳島大病院)による基調講演が行われた。マルメ大学に留学し、精力的に論文を執筆していた経験をもつ氏は、災害時の身元確認に寄与する簡便な歯科システムの構築について発表した。先日発生した熊本地震で被害を受けた先生も同席しており、特に注目を集める講演となった。続く三隅一公氏(熊本県開業)は、マイクロスコープを用いた歯内療法における歯科用CT画像の有効性について症例を供覧しながら力説し、安易に抜歯するのではなく、できるだけ歯を残す努力をすべきだと述べた。伊藤 慎氏(千葉県開業)は、前日の定村氏と同テーマで講演し、自院とI.O.R.メンバーの他院と比較し、受付時、診療時、支払い時などの細々とした待ち時間を算出し、短い時間だとしても複数回待たされると患者さんはストレスを感じるとし、改善案を提案していた。最後には、坪井佐知氏(東京都勤務)と藤田譲治氏(東京都勤務)が登壇し、本年2月に米国サンディエゴで開催された「Academy of Osseointegration Annual Meeting」にてポスター発表した経験を、現地の写真を交えながら語り、予演会や準備を手伝ってくれた仲間たちへの感謝の念を述べた。

 会のリーダーである竹下氏、墨 尚氏(愛知県開業)から叱咤激励の講評があるなか、若手歯科医師を含めた全員で研鑽しチーム力を向上させようとするI.O.R.らしい例会であった。