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2016年7月10日

福岡技工研究会30周年記念発表会開催

歯科技工士を中心に333名が参集

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 さる7月10日(日)、レソラNTT夢天神ホール(福岡県)において、福岡技工研究会30周年記念発表会(世話人代表:根〆まり)が開催された。福岡技工研究会は1987年に「知行合一」の理念の下に発足した歴史のある歯科技工士のスタディグループであり、本発表会はその30周年を記念して企画されたもの。「臨床の礎~模型を読み、咬合を考える~」というテーマが設定され、学生115名を含む333名が参集した。以下に演者とその演題を示す。

午前
・「石膏模型の考察」(松尾章司氏、デンタルデザイン松尾)
・「バイト材料について~ワックスバイト編~」(浦 健一氏、浦デンタルアート)
・「バイト材料について~シリコンバイト編~」(黒河雅文氏、セイコーテクニカル)
・「口腔内を石膏模型にするとこんな違いができます」(松本英二氏、株式会社Eデンタルラボ)
・「模型から考察する咬合器付着」(廣末将士氏、有限会社セイブ歯研)
・「咬合器と模型の関係性について」(矢野信年氏、株式会社NYデンタル)
・「自分なりの第一大臼歯ワックスアップ」(川村克彦氏、有限会社セイブ歯研)
・「私のワックスアップ~ファセットの考察~」(根〆まり氏、歯科糸瀬正通医院)

午後
・「臼歯部歯冠修復~失敗を踏まえて~」(兒玉邦成氏、田中ひでき歯科クリニック インプラントセンター)
・「自然に適った咬合面形態」(小野浩太郎氏、デンタルアート・小野)
・「大臼歯の咬合接触点について」(永田 守氏、有限会社セラミック・デンタル井川)
・「臼歯補綴 日常臨床での留意点」(長田 聡氏、ハーモニーデンタル)
・「CAD―デザイン」(土肥 学氏、有限会社デンタルワークス システムU)
・「第一大臼歯 咀嚼効率を考える」(藤川秀樹氏、藤川デンタルアート)

 午前は根〆氏が座長を務め、8名の演者が登壇した。午前は咬合を語るうえでの重要な要素として、印象材、バイト、模型、咬合器、ワックスアップという基本的な内容が解説された。本会には学生も数多く参加しており、学生にも理解しやすいよう配慮された講演になっていた。

 午後は藤川氏が座長を務め、6名の演者が登壇した。基本的な内容だった午前とは異なり、実際に口腔内で調整された補綴物から咬合面形態を考察したもの、D. シュルツのNATコンセプトやオーストリアンナソロジー、また本多正明氏(歯科医師・大阪府開業)らの考えを臨床で実践したものなど、さまざまな視点から咬合面形態についての考察がなされた。さらには、第一大臼歯のメタルセラミックスの陶材築盛のステップや、CADソフトによる第一大臼歯形態のデザインまで幅広い視点から咬合が語られた。ひとりの歯科技工士としてどのように咬合というものに向き合うのかについて、福岡技工研究会がどのように考えているかがよく伝わる発表会であった。