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2016年7月16日

第28回日本レーザー歯学会総会・学術大会、第15回国際レーザー歯学会と同時開催

「超高齢社会におけるレーザー歯学」をテーマに

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 さる7月16日(土)、ウインクあいち(愛知県)において、第28回日本レーザー歯学会総会・学術大会(吉成伸夫大会長、渡辺 久理事長)が開催された。「超高齢社会におけるレーザー歯学」をテーマに、倫理委員会企画講演、特別講演、ランチョンセミナー、ポスター発表、安全講習会、教育講演、認定講習会などが催された。

 安全講習会「Laser Safety―Most important thing you can learn about Laser」(Dh. Angie Wallace)の演者は米国の歯科衛生士で、今回の演題と同様の「Laser Safety」をテーマに、米国レーザー歯学会主催の2日間コースのレクチャラーを務めているとのこと。米国では、歯科衛生士はソフトレーザーをペリオ患者に照射することが可能で、そこで教わる基本的な安全基準、対策が解説された(若干日本とは基準が異なる)。また、教育講演「歯の硬組織疾患に対する歯科用レーザーの展望」(山本一世氏、大歯大教授)では、2008年の診療報酬改定により導入された「う蝕歯無痛的窩洞形成加算」はEr:YAGレーザーの臨床応用を向上させたことは記憶に新しいところであるが、Er:YAGレーザーを照射した象牙質面は回転切削によって得られた面とはかなり異なっており、現時点ではいずれの世代の接着システムを使用しても回転切削と同等の接着強さは得られにくいことが示唆された。高齢社会において今問題になっているのは根面う蝕や楔状欠損で、MI治療を実施するにあたっては、この事実が必ず障壁になると考えられ、それに耐えうる接着材の開発、展望がディスカッションされた。

 その後、17日(日)から19日(火)の3日間にわたり、同会場において第15回国際レーザー歯学会(吉田憲司大会長)が併催され、Special Lecture、Keynote Lecture、Plenary Lecture、Educational Lecture、Short Communicationなど、実に150題以上の演題が披露された。レーザーを用いたいびきの治療やNd:YAGレーザーによる麻酔効果、口腔粘膜疾患への炭酸ガスレーザーの照射など、発表内容も多岐にわたり、さらに吉田憲司大会長(愛院大教授)や日本レーザー歯学会理事長の渡辺 久氏(医歯大准教授)のほか、多くの日本人演者が登壇した。海外からの参加者は積極的で、ディスカッション時には必ずといってよいほどの挙手がみられ、各セッションで活発な議論が繰り広げられた。