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2016年8月28日

第29回日本顎顔面インプラント学会教育研修会開催

「インプラント治療をアップデートする」をメインテーマとして行われる

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 さる8月28日(日)、日本歯科大学生命歯学部100周年記念館(東京都)において、第29回日本顎顔面インプラント学会教育研修会(松野智宣準備委員長、又賀 泉実行委員長、嶋田 淳委員長、瀬戸●(かん)一理事長)が約150名の参加者を集め開催された。

 本学会は、口腔顎顔面領域におけるインプラントに関する基礎的ならびに臨床的研究を推進し、この領域における口腔顎顔面外科を基盤とした正しいインプラントの知識と国民から信頼される良質なインプラント治療の普及を図り、わが国の学術の発展と口腔機能回復による国民の健康増進に寄与することを目的としている。

 まず理事長挨拶で瀬戸氏は、インプラント手術が複雑高度化するなかで、全身管理、緊急事態対応、患者の高齢化・有病化にともなう合併症への対応が重要であると訴えた。

 午前の講演では、阿部伸一氏(東歯大)が、筋膜と隙に着目し、インプラントに関連する頭頸部の機能解剖を献体標本とムービーを用いて解説した。次いで砂田勝久氏(日歯大)は、臨床で用いられる表面麻酔、浸潤麻酔、伝達麻酔の効果的な使用法を紹介した。鈴木陽介氏(サンベル法律事務所・弁護士)は、実際に行われたインプラント訴訟の判決書をもとに、患者クレーム対応のポイントを具体的に説明した。

 午後の講演では、松野智宣氏(日歯大)が抜歯後の骨形態の変化、骨造成後のリモデリングをもとに、骨補填材料の選び方を解説。次に、堀内克啓氏(奈良県開業)は、骨造成時の切開線設定、減張切開の行い方をはじめとした切開・剥離・縫合のポイントを解説した。管野貴浩氏(島根大)は、交通事故などによる口腔顔面外傷後に大きく硬・軟組織を喪失した患者に対して、インプラントを用いて機能回復を行った長期症例を紹介した。最後に松尾 朗氏(東京医科大)は、顎骨再建をテーマに、供給側となる血管柄付骨、ブロック骨、腸骨など各種自家骨の特徴と差異について詳説した。

 最後に、きたる2016年12月3日(土)、4日(日)の2日間にわたり、東京医科歯科大学で行われる第20回日本顎顔面インプラント学会総会・学術大会の大会長である春日井昇平氏(医歯大)と嶋田氏が挨拶を行い、終始盛況のうちに閉会となった。

[●は日へんに完]