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2016年10月9日

DHスタディグループ+α、1Dayセミナーを開催

牧草一人氏による臨床での着眼点が変わる情報が多数紹介される

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 さる10月9日(日)、東京医科歯科大学(東京都)において、1Dayセミナー「歯科衛生士のための歯周解剖学 1日みっちりBiologic Width」(DHスタディグループ+α主催)が開催された。同スタディグループでは、歯科衛生士の黒川 綾氏(株式会社プラスアルファ代表)を中心に定期的に勉強会を開催しており、今回は、歯周解剖学に造詣が深い牧草一人氏(京都府開業)を招聘し、歯科衛生士の臨床に求められる着眼点について詳説された。

 まず、導入として、歯周治療の本質について氏ならではの持論を展開。「歯科医師がつくる補綴などはあくまでも作り物にすぎず、本物ではない。それ以上に、再生能力のない歯や歯質を失わないためにいかに予防するかが肝心であり、そこは歯科衛生士の腕のみせどころ」とし、歯科衛生士の役割についてあらためて強調した。

 その後、午前中は主に天然歯の歯周組織について解説した。特に、セミナー名にも記載されている生物学的幅径(Biologic Width)については、そもそもの定義から再検証するなど詳しく掘り下げられた。氏は、「重要なのは、生物学的幅径が何mmなのかではなく、どのような役割を果たすのかを知ることである」などと伝え、参加者がこれまで抱きがちであった固定観念をつぎつぎと覆していった。

 午後は、インプラント周囲組織について説明。氏は、その基本にあるのは歯周解剖学の知識であるとしたうえで、インプラントにおいては、軟組織と人工物がいかにうまく融合するか考えることが必要であると述べた。また、昨今多くのメーカーで採用されているプラットフォームスイッチングについても触れた。

 本セミナーの内容は、これまで教科書等で学んだ知識に対し、根拠に基づいて裏づけられるものだったようで、講演後の参加者の納得した表情や反応が印象的であった。なお、講演中の写真・動画撮影について許可されていたことも、参加者にとっては非常にありがたかったに違いない。