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2007年11月23日

鶴見大記念館にて第19回日本レーザー歯学会総会・学術大会盛大に

メインテーマに「レーザーの疼痛緩和作用の基礎と臨床」

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 臨床の現場においてレーザーを導入する開業医が確実に増え続けているなか、さる11月23日(金)から25日(日)の3日間、鶴見大学記念館(神奈川県)において第19回日本レーザー歯学会総会・学術大会(新井 高大会長、鶴見大教授)が盛大に開催された。今大会のメインテーマは「レーザーの疼痛緩和作用の基礎と臨床」。
 大会初日には市民公開講座「『レーザーによる歯科治療』をもっとよく知ろう」が行われた後、2日目からは一般講演23題、シンポジウム2題、ランチョンセミナー2題、特別フォーラム、臨床セッション、一般講演ポスター10題などが行われた。レーザーの応用が広まりつつあるなかで、学会の立場から提言がなされた特別フォーラム「レーザー歯科診療の保険適用の是非」、臨床家3名を招聘して長期経過報告なども行われた臨床セッション「レーザーの歯科治療への応用」、レーザー溶接をはじめとして、補綴領域の発表がめだった一般講演など、臨床家をターゲットにした催しが多く行われ、質疑応答も活発であった。
 メインテーマに即して行われたシンポジウム2「疼痛緩和とレーザー治療 基礎編」では、齋藤勇氏(奥羽大准教授)、半場道子氏(医歯大)の2名の演者を招聘し、疼痛緩和・鎮痛のメカニズムが報告された。とくに、半場氏は「神経因性疼痛が半導体レーザーで治るというのエビデンスはまだ確立されたとはいえない」とし、医科領域におけるPLDD(椎間板ヘルニアに対するレーザー治療)が欧州で中止された例をあげながら、レーザーの安易な適用に警笛を鳴らした講演は印象的であった。
 臨床先行の形で発展してきたレーザー治療であるが、基礎的な裏づけ・発展を得るために、レーザー治療に対するマイナス論文にももっと目を向けるべきという建設的な意見がでるなど、まさに今後の研究・治療に何が求められているかが示された有意義な大会となった。