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2016年10月16日

日本顎関節学会学術講演会「顎関節症インタラクティブコース」開催

顎関節症の診断基準および治療方針の普及を目指して

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 さる10月16日(日)、日本大学歯学部(東京都)において、第40回一般社団法人日本顎関節学会学術講演会(古谷野 潔理事長)「顎関節症インタラクティブコース」が行われた。 


 まず、古谷野氏が「パート1:顎関節症の病態分類と診断基準」と題して講演。近年、同学会が公表してきた顎関節症の概念と病態分類について、また、先般、検討の終わったという顎関節症の診断基準について、それぞれ概説した。

 次に、小林 馨氏(鶴見大)が、「パート2:顎関節症の画像診断」と題して講演。まず、顎関節の解剖、画像解剖、エックス線像およびMR像の解釈を解説。さらにハンズオンとして、顎関節の画像診断をMR像のトレースによって行った。

 午後は、「パート3:顎関節症の診察・検査」と題して小見山道氏(日大松戸)が登壇。海外で発表され、顎関節診断の指針とされるDC/TMDの質問票と検査用紙に沿って、顎関節症における口腔内外の診察・検査を解説した。その後、実際に参加者が二人一組になり、筋触診の実習がその患者への実際の受け答えを含め、具体的に行われた。

 その後、築山能大氏(九大)が「パート4:顎関節症の症例提示と解説」と題して講演。上述の同学会による顎関節症の病態分類に基づいた病態診断と治療方針の策定方法について解説を行い、その後ケースベース、すなわち具体的な症例の情報を基にして、参加者各人が治療方針の策定を行い、演者によってその模範解答が示された。

 最後に、和嶋浩一氏(慶應大)が「パート5:顎関節症の各病態に対する(標準的)治療」と題して講演。和嶋氏は、顎関節症に対する治療の主体は、疾患に対する患者教育と、患者自身によるセルフケアであるとしたうえで、その具体例を解説した。

 本会の趣旨は、同学会がこれまでに策定してきた顎関節症の診断基準および治療方針を、学会内外に広く普及させることにあると思われる。講義のみならず、小テストやハンズオンなど趣向を凝らした講演スタイルに、その思いが強く表れていたと感じられた。