Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2016年11月13日

日本歯内療法学会2016年度専門医セミナー(第23回)開催

側方加圧充填法と垂直加圧充填法の比較・検討が解説される

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる11月13日(日)、東京歯科大学血脇記念ホール(東京都)において、日本歯内療法学会2016年度専門医セミナー(第23回)が行われた。テーマの「歯内療法のスタンダードを再考するシリーズ」も7回目を迎え、今回からは「根管充填の特徴を理解する:パート1 根管充填法」(来年度にパート2として「根管充填材」が取り上げられる予定)として北村和夫氏(日歯大教授)、吉岡俊彦氏(広島県開業)の2名を講師に招聘して行われた。

 「根管充填―コールドテクニック」(側方加圧充填法)と題して登壇した北村氏は、側方加圧充填法は現在でも交換充填法の基本術式として位置していること、大学教育ではまずこの根管充填法が教育されることをふまえ、側方加圧根管充填法のテクニック上の注意点やコツが解説された。一方、「根管充填―ウォームテクニック」(垂直加圧充填法)と題して登壇した吉岡氏は、「明確な狭窄部は存在しない」、「アピカルシートはレッジである」との根尖部の形態の認識から、CWCT(Continuous Wave of Condensation Technique)やシルダー法などの各種垂直加圧根管充填法の概要とその選択について解説がなされた。

 米国のエンド専門医のアンケートでは徐々に垂直加圧根管充填法の比重が高くなってきているとの報告もあり、根管の解剖学的特徴から、1つの方法ですべての根管形態の対応できるものではないので、複数の方法を習得する必要性が述べられた。なお、最後の質疑応答では、ラバーダム防湿の徹底が叫ばれたり、MTAの適用外使用のリカバリーに対する学会の見解を問われるひと幕もあり、終始盛況なセミナーとなった。