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2016年11月19日

2016デンタルコンセプト21総会・例会開催

「よりよきインプラント治療をめざして」をテーマに

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 さる11月19日(土)、20日(日)の両日、富士ソフトアキバプラザ(東京都)において、2016デンタルコンセプト21 総会・例会(三好敬三会長、中村杜綱最高顧問)が開催された。本会は、21世紀に向け、最良のインプラント治療を提供するための技術向上を目指し発足された。会員相互の症例検討会を開き、世界的に著名な先生方を招待しての講習会開催、海外の講習会参加などで治療技術を磨いている。
 
 まず中村杜綱最高顧問(熊本県開業)が登壇し、近年のインプラントのネガティブキャンペーンに負けないように「よりよきインプラント治療をめざして」勉強をしていきたいと会員のより一層の奮起を促した後、三好敬三氏(東京都開業)が1995年に設立された本会の約20年の歴史を振り返り開会となった。講演の一部を以下に述べる。

 甲田和行氏(東京都開業)は経過10年以上の自家歯牙移植の症例を供覧し、ドナーとなる歯牙が存在するときには、インプラントを考える前に欠損補綴における自家歯牙移植を手段として検討すべきであると訴えた。

 上杉崇史氏(東京都勤務)は自院において上下顎に施術されたAll-on-4コンセプトに基づく全顎的咬合再構成を行った677症例に対して考察を行った。脱落の原因には埋入部位や長さトルクなどの傾向は認められず、喫煙やオーバーロードなど複数の因子が関与しているとした。また、さまざまなリカバリー症例のなかで、インプラントの汚染除去に対してダイオードレーザーの適用などのテクニックも紹介した。

 三好敬三氏(東京都開業)は、低侵襲なサイナスリフトとしてインプラント埋入窩から上顎洞粘膜を挙上する手技を紹介した。また、上顎洞粘膜が穿孔してしまった場合の対処法や上顎洞迷入防止機構のついた新発売となるインプラントについても述べた。

 中村社綱氏は、先日のテレビで放映されたニュースの内容を受け、プラークコントロールの重要性を訴えるとともに会員に対してよりレベルの高い口腔内衛生管理を求めた。また、咬合崩壊する前に欠損部にインプラントで支持を与えることで残存する天然歯を長期的に保存することができた予後20年以上の長期症例など、多くの示唆に富んだ症例を提示した。

 その他、骨増生、前歯部審美、歯科医師―歯科技工士の連携、CAD/CAM、長期症例、研究発表などの多岐にわたる内容の講演が2日間を通じて計29の演題で行われ、充実した内容となった。

 次回は、同会場にてきたる2017年11月18日(土)、19日(日)開催予定である。