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2016年11月23日

第2回米国歯内療法専門医日本協会セミナー開催

歯内療法の主たる目的は「根尖性歯周炎の予防と治療」

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 さる11月23日(水)、富士ソフトアキバプラザ(東京都)において、第2回米国歯内療法専門医日本協会セミナー(米国歯内療法専門医日本協会主催)が開催され、20~40代の若手中心の参加者が多く参集し、いずれも時流に乗った興味深い講演を聴講した。

 はじめに登壇したのは本会を牽引する石井 宏氏(東京都開業)で、「Decision Making for the Best Patient’s Interests in Endodontics」と題して「患者利益のための意思決定」が語られた。患者が求める「疾病の予防と治療」の達成に向けて、資料の収集→診査・診断(診断名の提示)→治療法の決定(意思決定)といった一連の流れのdecision makingが提示された。つづいて、70、80、90年代のおさらいから現在の潮流までが披露された「根管洗浄の変遷―deliveryとagitation-」(田中利典氏、東京都勤務)、作業長の維持に有効で、北米の歯科大学の50%以上で教育されているというPatency Fileの意義と行為の是非を問うた「The review of Patency File」(松浦 顕氏、福岡県開業)、MTAからBCシーラーまで、今、話題のアイテムの臨床像を紹介した「歯内療法におけるバイオセラミックスの応用」(横田 要氏、大阪府開業)、apexification、apexogenesis、revascularizationなど、今後の展望を占った「歯内療法領域の再生療法」(田中浩祐氏:東京都勤務)の5演題が披露された。

 演者は留学経験者とあって、講演はすべて文献をベースに(EBM)組み立てられており、米国の歯内療法の教育が日本の教育といかに違うかを力説する場面もあり。歯内療法の主たる目的は「根尖性歯周炎の予防と治療」というコンセプトは一貫して強調された会となった。また参加者に若手臨床家が多いこともあって、熱心にメモを取る姿が印象的で、1時間近くとった質疑応答でも質問が絶えないほど盛会であった。