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2016年11月25日

第61回日本口腔外科学会総会・学術大会が盛大に開催

GLOBALIZATION「普遍化を求めて」をテーマに

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 さる11月25日(金)から27日(日)の3日間、幕張メッセ(千葉県)において、第61回公益社団法人日本口腔外科学会総会・学術大会(又賀 泉大会長、栗田賢一理事長)が、国際シンポジウム3題、シンポジウム4題、公募Workshop7題、ミニレクチャー51題、ビデオレクチャー17題、特別講演4題、教育講演4題、一般口演、ポスター発表など、多彩なプログラムのもとに盛大に開催された。

 「口腔三学会シンポジウム MRONJ・BRONJの基本的な対応」は、本年8月に発表された改訂版ポジションペーパーを受けて開催され、薬剤関連顎骨壊死の病理組織所見について池田 通氏(長崎大教授)が、画像診断について金田 隆氏(日大松戸教授)が専門の立場から解説を行った。続いて、顎骨壊死検討委員会のメンバーとして改訂作業に携わった柴原孝彦氏(東歯大教授)がポジションペーパーの概要と、それに則った対処法について講演。休薬の可否について統一した見解が得られていないなどの課題は残されているが、患者が不利益を被らないよう、処方医との密接な連携のもとに対応することの重要性を強調した。

 「シンポジウム 病院歯科口腔外科は何をするの? ~多様化する診療体系~」では、多職種連携や地域包括ケアが推進されるなか、病院歯科・口腔外科のこれからの役割を再考する機会として開催。はじめに田口円裕氏(厚労省医政局歯科保健課)と堀 憲郎氏(日本歯科医師会会長)が、国と歯科医師会の立場から、地域包括ケアシステム構築のなかで、口腔機能の維持向上に貢献する病院歯科の活躍に期待を述べた。続いて現場での事例として、「がん診療連携拠点病院における周術期口腔機能管理」(山内智博氏、都立駒込病院)、「地方公立病院における病院歯科口腔外科の現状 -病診連携を成功させるための工夫-」(古木良彦氏、香川県立中央病院)、医療・介護連携のための当院歯科のhub機能の実際」(糸田昌隆氏、わかくさ竜間リハビリテーション病院)、「専門性を追求した病院歯科口腔外科」(山下徹郎氏、恵佑会札幌病院)の各演題にて講演が行われ、従来からの急性期対応に加え、院内外の関連多職種との連携による、これからの在り方を見据えた様々な取り組みが紹介された。

 「シンポジウム 口腔外科医の知識と技量が必要とされるインプラント治療」では、「インプラント手術中に偶発症・合併症を生じた症例について」(高森 等氏、日歯大名誉教授)、「インプラント手術後に偶発症、合併症が顕在化した症例について」(松浦正朗氏、東歯大客員教授)、「インプラント埋入前手術について」(高橋 哲氏、東北大教授)の各テーマにて講演。インプラント治療において、術中・術後に神経損傷、異常出血、迷入等の偶発症・合併症を生じた症例や、外傷、口蓋裂、腫瘍等の難症例など、特別な対応を必要とするケースの供覧を通じて、口腔外科医としての専門的な知識と技能を身につけ、取り組むことの必要性を訴えた。

 過去最高の4,400名以上の参加者が集い、熱気に満ちあふれた3日間であった。なかでも、MRONJ・BRONJに関する講演やシンポジウムはいずれも盛況で、関心の高さがうかがわれた。次回大会は、きたる2017年10月20日(金)から22日(日)にかけ、国立京都国際会議場(京都府)において開催予定である。