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2017年1月28日

B.O.P.T.提唱者Ignazio Loi氏を招き、大阪・東京の2会場で盛大に開催

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 さる1月28日(土)、グランフロント大阪(大阪府)において、新春講演会(大信貿易株式会社主催)が「B.O.P.T.からプラマインプラントへ~高い審美性を獲得するための新しいプレパレーションテクニックB.O.P.T.の天然歯及びインプラントへの応用」をテーマとして開催された。翌29日(日)にはベルサール八重洲(東京都)においても同プログラムで開催され、両講演ともに盛会となった。

 B.O.P.T.(Biologically Oriented Preparation Technique)は、Ignazio Loi氏(イタリア開業)によって天然歯のプレパレーションテクニックとして開発され、現在もっとも注目されているテクニックの1つである。そのコンセプトをインプラント治療に応用し開発されたのが「プラマインプラント」である。

 最初に土屋賢司氏(東京都開業)が、自身がイタリアのLoi氏の医院で受講したセミナーの様子を通じてLoi氏の臨床・研究の足跡とB.O.P.T.の概略を紹介した。また、土屋 覚氏(DENT CRAFT STUDIO)もゲスト登壇し、B.O.P.T.に基づく補綴物の形態について述べた。

 その後登壇したLoi氏は、フィニッシュフェザーエッジとするフィニッシュラインのない形態、独特なテンポラリークラウンの形態、意図的なジンジテッジ手順など、B.O.P.T.のポイントをステップごとに解説。氏の供覧する症例からは、治癒の経過が進むにしたがい歯肉組織の再付着と肥厚化が行われ、新しいエマージェンスプロファイルに適応していくことが示された。歯冠周囲の軟組織の安定性と維持に有効とされる本テクニックは、終始観衆の注目を集めた。

 Marco Csonka氏(ニューヨーク大)は、プラマインプラントの最大の特長である粘膜貫通部が機械研磨で先細りの形状であることが、インプラント埋入後に粘膜を圧迫することなく、厚い軟組織の形成に活かされると語った。そして、厚い軟組織を得て、長期的に歯肉が審美的な形態で維持された即時埋入やオールオンプラマと名付けられた上顎フルアーチの症例などが供覧された。

 最後に土屋氏が再び登壇。B.O.P.T.について氏の解釈を加えながら解説した。審美的に良好な結果をえるためのポイントとして、歯頸ラインの設定や上部構造のカントゥアの形態などについて詳説した。

 開発者からB.O.P.T.を直接学ぶ貴重な機会となった本会は、終始熱気に包まれたまま幕を閉じた。