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2017年1月29日

Greater Nagoya Dental Meeting

「名古屋から世界へ!」を合言葉に華々しく船出

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 さる1月29日(日)、愛知学院大学楠本キャンパス(愛知県)において、Greater Nagoya Dental Meeting(GNDM:飯田吉郎大会長)が、約450名の参加者を集め盛大に開催された。本大会は、名古屋近隣の歯科スタディグループが、垣根を越えて一堂に会し、歯科界を盛り上げるべく熱く語り合う場として開催。名古屋近郊だけではなく、いずれは世界へ情報を発信していくことを目指し、長期にわたり継続していくことを視野に入れ、企画されたものである。

 最初に大会長である飯田吉郎氏(愛知県開業)が企画趣旨を説明し、本ミーティングの将来展望を語ったのち、午前は5名の演者が登壇した。相宮秀俊氏(愛知県開業)は、インプラントオーバーデンチャー(IOD)におけるインプラントポジションの重要性を解説。IODは義歯製作の技量不足を補うものではなく、インプラントとデンチャーの双方を正しく学ぶことでこそ、高い患者満足度が得られると述べた。墨 尚氏(愛知県開業)は、インプラントにおける粘膜貫通部についての考察に言及。インプラント補綴における各種合併症に言及すると共に、コンピュータガイドサージェリーの今後の課題と展望に触れた。藍 浩之氏(愛知県開業)は、光機能化したチタンメッシュの優位性と、それらを用いた症例を供覧した。岡崎伸一氏(愛知県開業)は、自身の歯科のラーニングカーブを説明したのち、前歯部交叉咬合症例・臼歯部崩壊咬合症例など、全顎的な咬合再構成を行った症例を供覧した。佐分利清信氏(愛知県開業)は、顎顔面包括歯科臨床について解説。デントフェイシャルン問題を咬合で解決した症例などを紹介し、シンプルなセファロ分析の臨床応用を推奨するなど、示唆に富んだ講演を行った。
 
 午後は、3名の演者が登壇。川村真一氏(歯科技工士・FORTE LUX)は、補綴修復における材料選択の考察と題し、セラミック材料の耐酸性、溶解量、光の屈折率や透過度などについて解説した。山本司将氏(愛知県開業)は、咬合をテーマにした講演を展開。咀嚼主機能部位、咀嚼運動終末位、咀嚼機能検査の3点の重要性を説いた。疋田久登氏(愛知県開業)は、25~27年の長期症例を供覧しながら、その最新予後を紹介。また、欠損補綴においては、残存歯が少なくなるほど基準がなく、治療の難易度が高まることを強調した。

 本会の最後は、基調講演として、月星光博氏(愛知県開業)が登壇。「治癒に国境はない」とのテーマで、大きく分けてペリオ、エンドの両テーマについて講演を行った。そして、「感染を取り除くこと」がすべての治療の基本であるという自身のシンプルな治療方針をまず打ち出すとともに、歯根破折症例、脱離症例、外傷歯の症例などを多数供覧しながら、歯周治療の、再植や歯内療法について素晴らしい治療テクニックをそれぞれ紹介し、聴講者を魅了した。また、歯周病はリバーシブかつリバンダブルである(再発する)」「根管治療は術者の手技にかかっている」「疾患(歯周病)があれば原因(病院論)を探るべきであり、原因を除去すれば創傷の治癒につながる」といったわかりやすい言葉に解説を集約させ、教育的かつ充実した内容の講演を終えた。

 会場を埋めた参加者は最後まで席を立たず、各講演を食い入るようにして聴いていたのが非常に印象的であった。「名古屋から世界へ」。飯田大会長が合言葉として掲げたこの言葉が今後現実になることを大いに期待させる、記念すべき第一回大会となった。

 なお、次回の第2回GNDMは、2018年1月21日に開催予定である。