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2017年2月5日

近未来オステオインプラント学会、10周年特別講演会を開催

『アナトミー』の著者、Louie Al-Faraje氏を招待演者に迎え、充実の講演が展開される

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 さる2月5日(日)、コクヨホール(東京都)において、近未来オステオインプラント学会(IPOI)10周年特別講演会が盛大に開催された。

 本学会は、会員の学術・技術・人間性の向上、医院経営の安定化を目的とし、開業医を中心として発足。近未来オステオインプラント学会としては今年で10年目を迎え、Louie Al-Faraje氏(米国開業)を招聘した特別講演会を開催する運びとなった。

 午前は、Al-Faraje氏がインプラントのための解剖学的知識について言及。下歯槽神経損傷を始めとした各種神経損傷や出血などの合併症予防のために解剖学を学ぶことの大切さを説くことから始まり、CT画像診断の進歩により、多角的に解剖学的な診断が可能となった現状、豊富な画像データとともに解説した。さらに、そうした解剖学的なリスクを把握したうえで、インプラント外科においてどのような切開を行うべきか、危険な部位との距離をどの程度とるべきかなど、より具体的かつ実践的な内容について詳説がなされた。

 午後は、解剖学的な知見を踏まえたうえで、おもにフルアーチの即時荷重症例に関するチェックポイントと治療計画立案について解説。フルアーチの症例におけるエラーとして、十分なエマ―ジェンスプロファイルが取れない、適正な形態での骨形成がなされていない、不適切な歯冠長、食渣の侵入といった項目を挙げ、これらを引き起こさないための緻密な診断項目・チェックリストや、患者への質問事項について言及した。さらには、実際の症例を供覧しながら、適切な補綴設計やマテリアルの選択にまで話題を広げ、長時間にわたる充実の講演を締めくくった。

 会場からの質問に対しても、ホワイトボードを使いながら懇切丁寧に説明するなど、時折、講義の形での熱心な解説も展開され、終始聴講者を飽きさせず、関心を引き続けていたのが印象的であった。