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2017年3月4日

第9回DMC PLUS講演会開催

可撤性部分床義歯におけるインプラントの臨床応用を松田光正氏が語る

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 さる3月4日(土)、浜松アクトタワー(静岡県)において、第9回DMC PLUS講演会が行われた。DMC PLUSとは、静岡県・浜松市の歯科医師を中心に2008年に設立されたスタディグループ「DMC」(長谷川慶代表)が、年に一度行っている講演会。今回は、松田光正氏(熊本県開業)を演者に迎え、「欠損歯列改変を目指したRPDの中のインプラント」の演題で講演が行われた。

 松田氏はまず、日本におけるRPD(可撤性部分床義歯)の歴史的変遷を顧みたうえで、「欠損歯列の改変」を、「1.抜歯、2.コーピングの利用、3.歯牙移植、4.インプラントの植立のいずれかによって、歯列の受圧・加圧条件をコントロールすること」と定義づけた。その後、自身の臨床において、「改変を行わなかった症例、行った症例」の双方を例示した。

 次に、「インプラントで欠損歯列の改変を行ったRPD」に的を絞り、欠損歯列の見方やインプラントの使い方、支台装置の選択法などを豊富かつ長期にわたる治療例を交えながら解説し、以下をまとめとした。
1.コースコントロールを意識する。
2.受圧条件の改善を目標とする(対顎に見合ったインプラント本数を植立する)。
3.経過をみてからの改変にアドバンテージがある。
4.天然歯との被圧変位量の違いを考慮した補綴装置材料の検討。
5.支台装置には可撤性機構を付与し、サポート(支持)を優先させる。
 また、上記のなかでも1がとりわけ重要で、インプラント治療を行う患者に対しては、その術後経過で変化をともなう歯列内において、インプラントがどういう役割を演じていくのかをあらかじめよく考え、臨床応用にあたるべきことを強調した。

 講演中のところどころで行われた質疑応答や懇親会でも、演者に対しての質問が途切れる様子はなく、インプラントを支台とした二次固定による欠損補綴の関心の高さがうかがえた。高齢化の進む日本において、本補綴法のさらなる需要および適応の増加が予測される講演会となった。