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2017年3月19日

「"予防"が社会を変える―QOLを高める"予防歯科"の可能性―」が開催

花田氏、熊谷氏らが講演

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 さる3月19日(日)、東京歯科大学血脇記念ホール(東京都)において、「"予防"が社会を変える―QOLを高める"予防歯科"の可能性―」(クレセル株式会社主催、あしたのコミュニティーラボ「歯からQOL向上を目指す予防歯科プロジェクト」協力)が開催され、330名が参集し盛会となった。

 まず、司会進行役の武田英裕氏(あしたのコミュニティーラボ編集部、富士通株式会社)と伊藤日出男氏(クレセル株式会社)が登壇し、さまざまな社会的課題について皆が情報共有・発信をしながら解決策を見つけることが大切としたうえで、今回QOLを高めるための「予防歯科」の可能性について皆で探っていきたいと企画趣旨を述べた。

 つぎに基調講演1として、花田信弘氏(鶴見大教授)が登壇。現代の病気の原因が食文化と健康のミスマッチによるものとしたうえで、歯科医院として患者の身体にマッチした食文化を考えることが重要であると述べた。また、生活習慣病予防として、栄養、運動、休養、節酒、禁煙、歯の健康が大切であることをわかりやすく解説した。

 つづいて基調講演2として、熊谷 崇氏(山形県開業)が登壇。国際舞台で活躍する日本人が増えているが、口腔の健康への意識がまだ低いことを指摘。日本の保険制度の問題点を挙げるとともに、患者個々のリスクに応じた検査と処置の重要性、長期メインテナンスや家族単位で来院することの大切さを症例とともに提示。健康長寿社会を実現するには歯科医療のイノベーション、すなわちケア中心の時代への転換が大切とした。

 その後、トークセッション1「健康価値はどうすれば拡げられる?」が八村大輔氏(株式会社メディシンク)をモデレーターに行われ、パネリストとして、荒牧 豊氏(全日空商事株式会社)、服部 亮氏(ロート製薬株式会社)、青島健二氏(株式会社湖池屋)、武久文之氏(富士通株式会社)がそれぞれ自社の健康経営や予防歯科への取り組みを紹介。まとめとして、日常的に健康に生活できるための"「使いやすく前向きになれる」ライフスタイル"を提案していくことが大切とした。

 トークセッション2は伊藤氏をモデレーターに、患者代表として水野愛子氏(全日空商事株式会社)が登壇。水野氏の予防歯科に関する素朴な疑問や良い歯科医院を選ぶポイントについての質問などに対し、オーラルフィジシャン歯科医院を展開する畑 慎太郎氏、晝馬康明氏(ともに東京都開業)が1つひとつていねいに回答した。

 つづいて、歯科衛生士の李 勝美氏(川勝歯科医院)が「予防の原点ここにあり」と題して登壇し、MTM(メディカルトリートメントモデル)の実際についてわかりやすく解説した。最後に熊谷氏が再度登壇し、今後は歯科医院が企業と連携して予防歯科を進めることで、歯科医療の新しい価値を創造し、海外から日本の予防歯科を学びにくる時代にしたいと述べた。なお本イベントでは、講演やディスカッションの内容をイラストで視覚的にリアルタイムに記録していく"グラフィックレコーディング"という手法がとられ、参加者の関心を集めていた。