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2017年3月26日

子どもの咬合を考える会、第21回特別講演会を開催

「0歳から始めよう! 不正咬合の予防」をテーマに

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 さる3月26日(日)、京都テルサ テルサホール(京都府)において、子どもの咬合を考える会(加藤一行会長)の第21回特別講演会「0歳から始めよう! 不正咬合の予防」が開催され、490名が参集し盛会となった。

 講演に先立ち、大会長の中村彰彦氏(滋賀県開業)が開会の辞を述べ、続いて田村康夫氏(朝日大副学長)が登壇して「0歳から始めよう! 不正咬合の予防」と題して講演を行った。

 講演は第1部と第2部に分かれて行われた。第1部では吸啜運動や乳児の口蓋・咽頭部の特徴をはじめ、吸啜から咀嚼への移行、そして嚥下機能の発達について詳細に解説された。また、母乳と人工乳の歯列や口腔機能発達への影響の違いについても述べられ、そのなかでは母乳育児の利点が強調されすぎるあまり、それが母親のストレスとなってしまうことへの警鐘を鳴らされた。

 第2部では、低年齢児における咀嚼発達の遅れやおしゃぶり・指しゃぶり、舌小帯短縮症、上唇小帯の異常など咬合確立を障害しうる要素にいかに対応するかについて、実例を交えて解説された。

 続いての会員発表では、小佐々 康氏(京都府)、井上由貴氏(大阪府)、中村由貴子氏(大阪発達総合療育センター)が登壇し、それぞれ「予防矯正のルーティン」「家庭の事情によりフルブラケット治療が出来ずに苦労した一症例」「不正咬合を予防する子育ち10ヶ条~幼児・学童期編~」と題して発表を行った。

 次に、三村善郎氏(京都府開業)の座長のもと、シンポジウム「0歳からの不正咬合予防にどうかかわるか」が行われた。田村氏に加えて内田憲二氏(和歌山県開業)、小石 剛氏(大阪府開業)がシンポジストとして登壇し、内田氏は口腔生理学の見地から嚥下について解説し、小石氏は口腔機能を育み、不正咬合を予防するには「食」「姿勢」「呼吸」にも目を配る必要があり、また他の専門職との協働、地域との連携も必要であるとし、自身が行っている地域での連携・協働事例を紹介した。内田氏と小石氏、それぞれの発表の後には田村氏との質疑応答の時間がもたれ、活発な意見交換が行われた。

 最後に会長の加藤氏から田中氏へ感謝状の授与と謝辞が述べられ、成功裏に閉会となった。