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2017年4月9日

DHスタディーグループKOKO、2017特別講演"春"を開催

歯周治療のエキスパートの長期症例に、参加者の耳目が集まる

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 さる4月9日(日)、名古屋国際会議場(愛知県)において、DHスタディーグループKOKO(石原美樹代表/フリーランス歯科衛生士)による「2017特別講演"春"」が開催され、歯科衛生士を中心に約150名が参集した。今回のテーマは「歯周病治療のその先」と設定され、当日の講師として、谷口威夫氏(長野県開業)と安生朝子氏(藤橋歯科医院・歯科衛生士)が招聘された。

 午前は、谷口氏が「6mm以上のポケットも基本治療で治す」と題して講演。まず、約40年前に開業して間もない頃、日本ではまだ一般的ではなかった歯周基本治療に取り組むようになった経緯について紹介したうえで、その後紆余曲折はあったものの、患者からの学びなどもふまえて、現在に至るまで歯周基本治療を実践し続けていると述べた。次に、6mm以上の歯周ポケットを基本治療で治す8つのステップについてそれぞれ解説し、歯周基本治療における歯科衛生士の役割の大きさをあらためて示した。最後に、炎症のコントロールだけでは改善が難しい根分岐部病変について、咬合性外傷との関係や実際の対策について説明した。

 午後は、安生氏が「安生朝子の考え方 2017-メインテナンスこれから―」と題して講演を行った。氏はまず、歯周基本治療における口腔衛生指導や、原因除去療法、再評価時の診査方法についてみずからの経験をふまえて詳説した。次に、氏が担当した数多くのメインテナンス症例のうち、患者の家族性や歯根破折、酸蝕症、骨隆起、歯肉増殖症、侵襲性歯周炎に関するものを多数供覧したうえで、自身と患者とのかかわりについて述べた。最後に、超高齢社会を見据えた提言や、氏が現在新たに力を入れている取り組みについて触れて講演を締めくくった。安生氏ならではの軽快な語り口やユーモアはあいかわらず健在で、終始参加者の笑いが絶えない、和やかな雰囲気であった。

 両氏の講演はともに長期症例が非常に豊富で、中には30年を超えるものもいくつかあり、日頃から歯周治療やメインテナンスに取り組む参加者の注目を一身に集めた。