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2017年4月15日

スマイル倶楽部、第78回フォーラムを開催

非う蝕性歯頸部歯質欠損に対する新たな見解が提示され、注目を集める

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 さる4月15日(土)、16日(日)の両日、アイナリースクエア(山形県)において、スマイル倶楽部 第78回フォーラム(高木幸人主宰)が開催された。

 スマイル倶楽部は高木幸人氏(山形県開業)が主宰する歴史あるインプラントの勉強会であり、近年はインプラントや歯科に限らず、バラエティーに富んだ演者が登壇するのが特徴である。

 初日は天野尚樹氏(山形大人文学部准教授)による特別講演1「『北方領土問題』の考え方」と、大村一史氏(山形大地域教育文化学部准教授)による特別講演2「未来を切り拓く"心をコントロールする力"」が行われた。他分野の内容にもかかわらず、参加者からは積極的な質問や発言があいつぎ、白熱のディスカッションとなった。

 2日目は、高木氏による「下顎骨隆起の人類学的考察」と、今回のメイン講演となる黒江敏史氏(山形県開業)による「Non-carious Cervical Lesions Revisited –A Requiem for Abfraction?/Return of Abrasion」と歯科関連の講演が行われた。黒江氏は、以前はアブフラクションを積極的に肯定していたが、近年の研究結果を踏まえると現在は否定的な立場を取らざるを得なくなった経緯を膨大な文献の精読から提示し、アブフラクション説が内包する多くの問題点についても詳説した。また、現在ブラッシング習慣がNCLへ与える影響を過小評価している傾向があるが、これは是正されるべきであると文献と自身の臨床例から主張した。基礎研究から臨床まで幅広くカバーした4時間以上におよぶ濃厚な講演で、参加者たちの歯頸部への注目が高まる内容であった。

 次回の第79回フォーラムは、きたる7月22日(土)、23日(日)に仙台にて開催される予定である。