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2017年4月23日

東京医科歯科大学歯科同窓会 第54期 PartII No.33 講演会開催

講師に松尾浩一郎氏、猪原 健氏を招聘

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 さる4月23日(日)、東京医科歯科大学歯科棟南4階特別講堂(東京都)において、東京医科歯科大学歯科同窓会 第54期 PartII No.33 講演会「訪問歯科と地域包括ケアと多職種連携―2025年問題で高まる歯科のプレゼンス―」(東京医科歯科大学歯科同窓会学術部主催)が開催された。当日は100名を超える参加者が集い、盛会であった。

 講師として招聘されたのは、松尾浩一郎氏(藤田保健衛生大医学部歯科・口腔外科)と猪原 健氏(広島県)の2名。松尾氏は病院内歯科の立場から、そして猪原氏は開業歯科医院の立場から、多職種および地域での連携を行ううえで知っておくべき知識とそこで歯科に何が求められているのかについて、それぞれの経験を踏まえて講演を行った。

 まず登壇した松尾氏は、講演の冒頭で今後は多くの疾患や障害を抱えた人が病院ではなく地域で生活するようになり、開業の歯科医院においても診る患者に変化があるだろうと述べ、またこのような多疾患・多障害時代においては、歯科治療の目的は歯科疾患の治療から「感染予防としての歯科治療」「栄養改善のための歯科治療」へと変わり、医療の中に歯科のプレゼンスがある時代となることを強調した。続いて、病院内歯科の取り組みとして、誤嚥性肺炎の予防や周術期口腔管理の実際などについて解説し、そのなかで藤田保健衛生大学病院でも導入している口腔アセスメントツール・OHAT(Oral Health Assessment Tool)を多職種連携のためのツールの一例として紹介した。

 続いて登壇した猪原氏は、団塊の世代が後期高齢者に突入する「2025年問題」とその対応のために構築が推進されている「地域包括ケア」について改めて確認し、地域包括ケアのなかで歯科は何をすべきかについて述べた。また、地域の病院、老健・特養・有料老人ホーム等の施設、在宅医・訪問看護ステーションとの連携の重要性と、そのためにおさえておくべき病院や施設の機能・目的の違い、それによって歯科が関わる際のスタンスも異なることなどを解説した。講演中、猪原氏は、歯科は入院中から退院後まで患者のシームレスな支援を行ううえでの接点になり得る職種であるため、開業歯科医はぜひ積極的に病院に関わってほしいと呼びかけた。

 両氏の講演の後には質疑応答が行われ、多数の質問が寄せられた。