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2017年4月26日

第71回NPO法人日本口腔科学会学術集会開催

「New Collaboration Networks ―新たなる協同を求めて―」をテーマに

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 さる4月26日(水)から28日(金)の3日間、ひめぎんホール(愛媛県)において、NPO法人日本口腔科学会第71回学術集会(浜川裕之大会長、丹沢秀樹理事長)が開催された。日本医学会における歯科唯一の分科会である本学会は、口腔科学の発展による、患者へのより一層の良好な口腔医療環境の提供をめざして知識や情報の共有化を図ることを主眼としている。本学術集会は各種講演やシンポジウム、ワークショップ、ポスター発表、ランチョンセミナーなど、多彩なプログラムにて展開された。以下、セッションをピックアップして記す。

 シンポジウム1「薬剤関連顎骨壊死と感染性心内膜炎のカッティングエッジ」(座長:川又 均氏、獨協医科大/安藤智博氏、東京女子医科大大学院)では、「心疾患への口腔疾患の関わり 循環器内科医の立場から」(豊田 茂氏、獨協医科大)、「口腔疾患と心疾患のかかわり 歯科医師の立場から」(森本佳成氏、神歯大大学院)とそれぞれの視座から心疾患と口腔疾患に言及された。さらに、「骨粗鬆症治療薬の光と影」(萩野 浩氏、鳥取大)、「薬剤関連顎骨壊死の実態 ―原因、誘因、治療―」(内田大亮氏、獨協医科大)の各演題が行われた。歯科と医科の足並みがそろっていない現状を鑑み、本音で議論する場を設け、共通認識をもつ取り組みが示された。

 特別講演3「口腔感染制御が医科歯科と社会を結ぶ ~医科と国民を歯科の理解者とするために~」では、西田 亙氏(愛媛県開業、内科医)が登壇。日経電子版に掲載され話題となった"糖尿病を予防するなら歯医者へ行け"の記事にも言及しながら、「炎症」をキーワードとして歯周病と糖尿病で起きている慢性微小炎症は、炎症性ホルモンの分泌を通じてインスリンが効きにくい状態をもたらし、結果として血糖値を上昇させると述べた。さらに、炎症や組織細胞の破壊が起こると血清中に増加するタンパク質であるC-リアクティブ・プロテイン(CRP)を高感度で計測することによって糖尿病の発症リスクや歯周炎の状態を同定できる可能性を示し、会場の注目を集めた。
 
 次回、第72回学術集会は、きたる2018年5月11日(金)から13日(日)の3日間、ウインクあいち(愛知県)において開催される予定である。