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2017年5月11日

第60回春季日本歯周病学会学術大会開催

「歯周病学の挑戦~サイエンスとヒューマニティの調和」をメインテーマに

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 さる5月11日(木)から13日(土)の3日間、福岡国際会議場(福岡県)において、第60回春季日本歯周病学会学術大会(西村英紀大会長、栗原英見理事長)がメインテーマに「歯周病学の挑戦~サイエンスとヒューマニティの調和」を掲げて盛大に開催された。

 各種委員会、理事会が行われた翌日から2日間を通して、Dr. Keith L Kirkwood(米・USC)、Dr. Charles Sfeir(米・ピッツバーグ大)の2名の海外演者、全身・全脳透明化にCUBIC技術を応用し、歯科への応用も期待されている上田泰己氏(東大教授/理化学研究所)を招聘した特別講演3題、吉江弘正氏(新潟大教授)、永田俊彦氏(徳島大教授)、和泉雄一氏(医歯大教授)、そして最後に栗原英見理事長(広大教授)も登壇し、歯周病学の発展と歴史が語られた鼎談1題、新進気鋭の若手研究者6名が登壇したシンポジウム1「歯周病学の未來を担う」、座長に水上哲也氏(福岡県開業)を招聘し、北島 一氏(静岡県開業)、白石和仁氏(福岡県開業)、長谷川嘉昭氏(東京都開業)の3名が臨床家の立場から歯間部の切開方法をディスカッションしたシンポジウム2のほか、学会学術賞受賞記念講演、倫理委員会企画講演、認定医・専門医教育講演、歯科衛生士教育講演、歯科衛生士シンポジウム、場所をエルガーラホールに移しての市民公開講座、ランチョンセミナー6題、国際セッション口演、一般口演、歯科衛生士口演、各種ポスター発表、企業展示など数多くの催しが行われた。また、初日には恒例の「第50回若手研究者集い」も合わせて開催。

 鼎談「歯周病学発展の歴史を語る―時代を切り開いた人物と業績」では、本邦の歯周病学を回顧したリレー講演の形式。文献の引用件数や治療術式、病態の分類などを吟味し、この領域の7名のレジェンドを選出(Glickman、Loee、Socransky、Lindhe、Genco、Page、Offenbacher)。その人物像や代表論文まで網羅したもの。さらに本邦の歯周病学の発展に寄与した海外の人物など、近代歯周病学の歴史を振り返った。

 シンポジウム2「どうするフラップデザイン―コンベンショナルかミニマルか?―」ではタイトルをみるとコンベンショナル(従来型)VSミニマル(低侵襲)かともとれるものの、結論はどちらも適材・適所で用いるといった並列を強調。ただし、ミニマムはテクニックセンシティブのため、慎重に適用すべきとの指摘もあった。

 会員は歯科医師、歯科衛生士を合わせて10,000名を突破したという。メインホールでは会場内立ち見も見られ、他会場にサテライトが設けられるなど、終始盛況な学術大会となった。次回はきたる12月16日(土)、17日(日)に京都国際会議場において日本歯周病学会60周年記念京都大会が栗原英見大会長のもとで開催予定。