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2017年6月2日

The 25th International Symposium on Ceramics開催

「最良の従来法とデジタルデンティストリーの首尾よき融合」をテーマに

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 さる6月2日(金)から4日(日)までの3日間、Sheraton San Diego Hotel & Marina(米国・カリフォルニア州サンディエゴ)において、The 25th International Symposium on Ceramics(Program Chair:Dr. Avishai Sadan、Quintessence International Publishing Group主催)が開催された。

 本会はQuintessence International Publishing Groupが主催し、近年は3年に一度行われている催しで、毎回、修復・補綴治療、歯科技工の各分野で世界的に著名な歯科医師・歯科技工士が講演を行うことで知られている。今回は、The New Frontiers of Esthetic Excellence:Successfully Integrating the Best of Traditional and Digital Dentistry(卓越した審美の新境地:最良の従来法とデジタルデンティストリーの首尾よき融合)をメインテーマとし、さらに各日以下のテーマが設けられ、接着技術を使用した1本の修復治療から外科処置をともなうフルマウスリコンストラクションまで、多様な講演が行われた。
1日目:Ready for Prime Time: Incorporating New Technologies and Materials into Your Current Workflow(準備は整った:新技術と新材料を現在のワークフローに取り込む)
2日目:Incorporating Change: What Do I Keep and What New Skills Do I Need to Acquire?(変化を取り入れる:何を変えずに、どのような新しい技術をわれわれは獲得すべきか?)
3日目:Ultimate Outcome Accomplished by Combining Mastery-Level Skills with Advanced Technologies and Techniques(先進的技術とテクニックをともなうマスターレベルのスキルによる最高の治療結果の達成)

 3日間を通し、本大会テーマの"デジタル"という点においては、アナログで採得された口腔内模型やワックスアップ後の模型をスキャンしてデジタル化しPCに取り込んで治療計画や補綴設計等に用いる演者がほとんどで、現在話題の口腔内スキャナを臨床に取り入れた講演は2~3の講演のみであった。また、顔貌スキャナやデジタル咬合器も一部の講演中で紹介程度に見られるにとどまり、こと本シンポジウムの演者陣においては、治療のシークエンスのなかに占めるデジタルの割合はまだまだ限定的である様がうかがえた。
一方で、デジタルカメラを用いた顔貌分析や、その動画機能で発音および審美性の評価を行うことは多くの演者が臨床に取り入れているようで、さらにこれらを患者とのコミュニケーションツールとして効果的に用いている講演も多く見られた。

 日本からは、歯科医師として大河雅之氏(東京都開業)が"Minimally Invasive Restorative Dentistry:Indirect Approach"(最小限の侵襲による補綴修復治療:間接法によるアプローチ)と題して、歯科技工士として湯浅直人氏(大谷歯科クリニック)が"The Internal Stain Technique in the Digital Era:From Digital Shade-Matching Technology to Utilizing Translucent Zirconia"(デジタル時代のインターナルステインテクニック:デジタルシェードマッチングから透過性をもつジルコニアの臨床応用まで)と題して登壇。さらに、林 直樹氏(Ultimate Styles Dental Laboratory)も"Rivaling Natural Teeth Esthetics Using Contemporary Ceramics Fine Arts"(現代のセラミック修復物を使用して天然歯の審美性に迫る)と題して登壇し、それぞれ日本のハイレベルな臨床と技術力を存分にアピールした。