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2017年6月10日

第35回日本顎咬合学会学術大会・総会開催

「新・顎咬合学 ―国民の健康・幸福に貢献する―」をテーマに

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 さる6月10日(土)、11日(日)の両日、東京国際フォーラム(東京都)において、第35回日本顎咬合学会学術大会・総会(上濱 正理事長、大会長)が「新・顎咬合学 ―国民の健康・幸福に貢献する―」をテーマに開催された。2日間にわたり、多数の講演のほか、会員発表(口演、ポスター)やテーブルクリニックなどが行われ盛会となった。

 開会式では、壮大なムービーとともに日本顎咬合学会のあゆみが紹介され、会場全体からは大きな歓声と拍手があがった。上濱氏の大会長挨拶においては「会員である歯科医師・歯科技工士・歯科衛生士が三位一体で活動するとともに、賛助会員である企業、他学会、医科医療専門職種、歯科医療系教育機関、行政などとも連携し『世界一健康・幸福な国ニッポン』をめざした大会にしたい」と述べた。

 続いてChristian S.Stohler氏(米国・コロンビア大教授)による特別講演「Trends Affecting the Practice of Dentistry Adapting to and Embracing the Future Oral Health Care Environment」が上濱氏の座長のもと行われた。Stohler氏は、歯科医療の世界の潮流を中心に講演。そのなかで、患者とのコミュニケーション方法も時代とともに変化しており、現在はTwitterやFacebookなどのSNSを用いた交流が盛んであることや、クラウドコンピューティング、ロボティクスといったこれからの歯科医療ビジネスの予測など、示唆に富んだ講演となった。

 午後からは、公開フォーラム「口腔ケア・リハビリが日本を救う」が開催され、岩崎貢士氏(日本顎咬合学会常任理事)の座長のもと、池山和幸氏(資生堂ジャパン株式会社)、植田耕一郎氏(日大教授)、米山武義氏(静岡県開業)がそれぞれ登壇。なかでも植田氏は、医療が発達した現代社会においても、75歳以上の後期高齢者による認知症やがん、肺炎は増えており、それらは"天寿病"であるとしたうえで、かかりつけ歯科医が行う摂食機能療法や在宅支援の今後のあり方について言及した。
 
 大会テーマにも掲げられていたように、今回は「国民の健康・幸福に貢献する」にスポットをあてたプログラムが散見され、口腔を守るための実践的な方法や、生涯付き合っていく口腔機能についての大切さが発信された2日間となっていた。

 なお、開会前の9日(金)には帝国ホテル(東京都)において、設立35周年記念式典が盛大に開催された。式典では上濱理事長の挨拶のほか、来賓として堀内詔子氏(厚生労働大臣政務官)、住友雅人氏(日本歯科医学会会長)、井出吉信氏(東歯大理事長・学長)、高橋英登氏(日本歯科医師連盟会長)、三ツ林裕巳氏(医師・衆議院議員)、石井みどり氏(歯科医師・参議院議員)、山田 宏氏(参議院議員)、Christian S. Stohler氏(コロンビア大教授)が祝辞を述べるなど、35周年を祝うにふさわしい盛会となった。