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2017年7月30日

ジョイント4 4学会合同リレー講演開催

「健やかに育つ親子をサポートする」をテーマに

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 さる7月30日(日)、東京歯科大学水道橋校舎(東京都)において、口腔衛生関東地方研究会(安井利一幹事長)、日本小児歯科学会関東地方会(田中英一会長)、一般社団法人 日本障害者歯科学会(福田 理理事長)、日本歯科衛生学会(吉田直美会長)の4学会共催による「ジョイント4 4学会合同リレー講演」が「健やかに育つ親子をサポートする」をテーマに開催された。会場には、歯科医師、歯科衛生士ら140名以上が詰めかけ、質疑応答なども活発に行われた。

 ジョイント4は、2001年の発足以来、年1回のワークショップと、それらのまとめとしてシンポジウムを4年に1回行っている。今回は、2014年~2016年のワークショップの振り返りと、3つの講演が行われた。

 まず、井上美津子氏(昭和大客員教授)が「健やか親子21(第2次)の推進に向けて」の題で登壇。氏は、健やか親子(第1次)から第2次の成り立ちや概要について詳説したのち、歯科が関わっている実際の活動を紹介した。今後の課題としては、国民の認知度が低いこと、妊娠・出産を担う医療機関と子育て支援を担う行政機関の連携が不十分であること、母子保健サービスに地域格差が大きいことなどを挙げた。最後に、歯科関係者にとっての課題は、う蝕をはじめとする歯科に関する指標は達成されているために重要視されていないこと、重症う蝕児への対応が不十分であること、食育のアプローチが足りないことなど、私見を述べた。

 次に、中村郁子氏(兼久歯科医院・歯科衛生士)が「小児在宅医療における歯科衛生士の役割」の題で登壇し、在宅における障害児2名と障害者2名への歯科訪問診療のケースを紹介した。

 最後に、医師の小枝達也氏(国立成育医療研究センター)が「発達障害児に対する気づきと支援~ちょっと気になる子を豊かに育む環境とは?~」の題で講演した。氏は、健やか親子21(第2次)の重点課題にもある子どもの「育てにくさ」を感じるのは、子どもの要因、親の要因、親子の関係性による要因、親子をとりまく環境の要因の4つの組み合わせによるとし、特に住む地域とのつながりがあると育てにくさを感じにくくなると述べた。その他、ちょっと気になる子が社会性豊かに育つためには、子どもの自己肯定感を育てること、朝機嫌よく学校に行かせること、子どもが一人でできることは手助けせずやらせること、メディアをうまく使用することなどのポイントを多岐に渡り紹介した。