Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2017年9月2日

男の介護教室&男性介護者と支援者の全国ネットワーク 第1回東北大会開催

「男性介護者に目を向けて!」をテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる9月2日(土)、ホテルグランドパレス塩釜(宮城県)において、男の介護教室&男性介護者と支援者の全国ネットワーク 第1回東北大会(男の介護教室&男性介護者と支援者の全国ネットワーク主催、河瀬聡一朗大会長)が「男性介護者に目を向けて!」をテーマに開催され、約100名が参集し盛会となった。

 第一部の講演では、清川卓志氏(朝日新聞編集委員)が「男性介護を取り巻く社会状況について考える」と題して登壇。清川氏は、多数の資料をもとに長年にわたり社会保障分野を取材してきた記者の視点から、介護を中心に認知症や経済的困窮など、長期化する老後の問題について言及。その上で、自立支援を促すための新しい取り組みやネットワークづくりなど、活動の広がりに期待を寄せた。

 続いて、高室成幸氏(ケアタウン総合研究所代表)による講演「男性介護者の危険シグナル~ケアマネジャー達が抱える苦悩を読み解く~」が行われた。高室氏は、ケアマネジャーと男性介護者との関係性について、性差(ジェンダー)の内容にも触れながらわかりやすく説明。男性介護者が現場で直面する「介護力」と「家事力」の不足をサポートする専門職としての視点や対応も紹介し、好評を博した。

 第二部のアイスブレイクでは、テレビや雑誌などで活躍する島田秀平さん(お笑い芸人)による手相占いが披露された。島田さんは、親しみやすいキャラクターと軽快なトークで会場の参加者を引き込み、その場を和ませた。

 第三部の事例紹介では、津止正敏氏(立命館大社会学研究科教授)が「拡がるケアメン・コミュニティ~男性介護ネットの活動~」と題して登壇。年々増加傾向にある男性介護者の現状や介護の実態について紹介しながら、介護を取り巻く問題や経験をともに共有する組織やコミュニティの広がりについて紹介した。

 引き続き、河瀬大会長(男の介護教室代表、石巻市雄勝歯科診療所所長)による事例紹介「男の介護教室の取り組み」では、まず東日本大震災の歯科医療支援をきっかけに宮城県に移住したことを紹介しつつ、地域医療に関わるなかで歯科医師としてとくに食に対する課題や問題が多かったことを回顧。そのような経緯から男性が介護について勉強する機会や同じ境遇にある男性が集まる場を提供するために「男の介護教室」をスタートさせ、現在では7か所で座学と実習、調理実習、ディスカッションを開催していることなど活動について紹介した。

 第四部では、高橋聖子氏(特定非営利活動法人JEN東北事業統括)の進行のもと、ワークショップ「課題の共有とアクションプランづくり」が開催された。介護者と専門職によるグループワークでは積極的な意見交換やディスカッションが行われ、時間を超過するほどの盛り上がりを見せた。

 超高齢社会で介護が社会問題となるなか、本大会のように多職種で情報共有する場が全国に広がるとともに、継続的に開催されることを期待したい。