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2017年9月2日

第6回日本包括歯科臨床学会学術大会・総会が開催

「全身と口腔の調和を求めて~Global Standardへの挑戦~」をテーマに

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 さる9月2日(土)、3日(日)の両日、電気ビルみらいホール(福岡県)において、第6回日本包括歯科臨床学会学術大会・総会(中島稔博大会長、国賀就一郎学会長)が「全身と口腔の調和を求めて~Global Standardへの挑戦~」をテーマに開催され、歯科医師、歯科技工士、歯科衛生士ら450名が参集し盛会となった。

 本学会では2日間にわたり、多数のプログラムが組まれるなか、初日は、学会長の国賀氏(兵庫県開業)による開会の辞の後、若手支部選抜セッションが行われた。大八木孝昌氏(神奈川県開業)、石崎晴彦氏(兵庫県開業)、亀山秀和氏(鹿児島県開業)、岩城秀明氏(山口県開業)がそれぞれ登壇し、本学会の理念に基づいた咬合再構成の実際について症例を通じて発表した。なお今回から設けられた、40歳以下の優秀発表者に贈られる「筒井昌秀賞」は岩城氏が受賞した。

 つづいて、特別講演として本学会顧問の横田 誠氏(九歯大名誉教授)が「咬合性外傷の真実」と題して登壇。咬合性外傷および動揺についての見解は、1970年代に行われたLindheらの動物実験を期に大きく転換したが、臨床的には過度な咬合力が歯周組織へ与える影響は否定できないとし、咬合性外傷について再考する時期にあるのではないかと述べた。

 リレー講演はDr&DTセッション「スプリント作製とその勘所」と題し、本学会顧問の筒井照子氏(福岡県開業)と歯科技工士の田代孝久氏(田代歯科技工所)がそれぞれ講演。両氏と筒井武男氏(福岡県)の共著『スプリントに強くなろう!』(弊社刊)が本大会開催に合わせて発売されたのを受け、その内容の一部を紹介しながら、歯科医師、歯科技工士のそれぞれの立場からスプリント製作時の注意点・ポイントについて解説した。

 2日目は会員講演としてデンティストリーセッションが行われ、瀬戸泰介氏、山本真道氏、樋口琢善氏(いずれも福岡県開業)が登壇。なかでも樋口氏は、精度の高い治療を実現するための補綴操作のステップを詳細に紹介した。つづいて、特別講演として小濱忠一氏(福島県開業)が「補綴治療を成功するためのアナログとデジタル化の共存―デジタル化の推奨と警告―」と題し登壇。従来のアナログ的手法と最新のデジタル機器を用いた手法の利点・欠点について、多くの症例を提示しながら解説し、どんなに新しい技術や機器の開発が進んでも、適切な診査・診断に基づいた治療計画の重要性など、基本的なガイドラインは厳守していく必要があると述べた。

 最後に、リレー講演+シンポジウム「Dr.DT.DHの役割分担~包括歯科臨床実現のために~」が開催され、筒井照子氏、筒井祐介氏(福岡県開業)、歯科技工士の増田長次郎氏((株)カロス)、歯科衛生士の広瀬了美氏(筒井歯科医院)がそれぞれ講演。1人の患者に対して、どのように連携し対応しているか、スタッフや患者との具体的なの会話なども紹介しながら解説した。

 なお、次回の第7回学術大会・総会は、2018年9月1日(土)、2日(日)の両日、連合会館(東京都)にて開催予定。