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2017年9月15日

第23回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会開催

「広げよう!つなげよう!摂食嚥下リハビリテーションの輪」をテーマに

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 さる9月15日(金)、16日(土)の両日、幕張メッセ(千葉県)において、第23回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会(市村久美子大会長、植田耕一郎理事長)が「広げよう!つなげよう!摂食嚥下リハビリテーションの輪」をテーマに開催され、多数の参加者が集まった。

 今回も昨年の第22回テーマを引き継ぎ、医療職間のチーム医療はもちろん、他分野との連携など、多方面でのつながりをもつことが、摂食嚥下リハビリテーション分野のさらなる発展につながるという発想のもと、歯科医師をはじめ、医師、言語聴覚士、理学療法士、歯科衛生士、管理栄養士などによるシンポジウム、パネルディスカッションのほか特別講演、招待講演、一般口演、ポスター発表など多数の企画が行われた。

 2日目の教育講演6では、寺本信嗣氏(和光駅前クリニック・医師)が「誤嚥性肺炎の新予防戦略―サイエンスとアート―」の題で登壇し、誤嚥性肺炎の機序といった基礎知識から、具体的な予防策までを幅広い内容を解説した。氏は、「誤嚥性肺炎を語るときに細菌の存在が忘れられがちである」とし、誤嚥だけで誤嚥性肺炎につながるわけではなく、誤嚥のうえで細菌が肺に入って発症して初めて誤嚥性肺炎といえるということを繰り返し強調した。そして、予防については、嚥下のリハビリテーションとともに口腔ケアを行い、質と量両方からの対策が必要と述べた。

 また、シンポジウム4「災害と摂食嚥下リハビリテーション」では、植田理事長(日大歯学部教授)による座長のもと、近藤国嗣氏(JRAT副代表)、前田圭介氏(愛知医科大病院緩和ケアセンター)、小山珠美氏(口から食べる幸せを守る会)、笠岡(坪山)宜代氏(日本栄養士会災害支援チーム)、中久木康一氏(医歯大大学院)が登壇し、東日本大震災や熊本地震での支援について報告。それぞれの立場から、災害時で注目される「食べる支援」のための共通の指標や、情報共有の重要性が挙げられるなど、災害を見据えた平時からのさらなる多職種連携の構築に資する学会に期待が寄せられた。
 
 なお、次回の第24回大会は、きたる2018年9月8日(土)、9日(日)、東北大学百周年記念会館(宮城県)において、出江紳一大会長(東北大大学院)のもと開催予定。