Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2017年9月16日

日本歯科衛生学会第12回学術大会開催

「健康で長生き、上手に老いるために」をテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる9月16日(土)から18日(月)の3日間、きゅりあん(東京都)において、日本歯科衛生学会第12回学術大会(富田基子大会長、吉田直美会長)が「健康で長生き、上手に老いるために」をメインテーマに開催された。東京での開催は初回の平成18年ぶり2度目となり、歯科衛生士を中心に約2,200名が参集した。

 演題発表は195題と多数の応募があり、ポスター発表においては本大会では初の試みとなる、2日目、3日目とポスターを貼り替えての発表が行われた。

 2日目の教育講演1では、「子どもの口腔機能を育むために」と題し、田村文誉氏(日歯大口腔リハビリテーション多摩クリニック)が登壇。乳児期から成人における口腔の解剖学的変化とともに、食べる機能がどのように発達していくのかを詳説。食べる機能は、生後、発達し獲得されていくものだとし、摂食支援の重要性を示した。それには、歯科側が「口腔機能は歯科で診ることができる」という認識を保護者へ普及させていくとともに、口腔機能をはじめ、家庭環境・親子関係などについても幅広い知識を身につけていくことが必要だとした。

 教育講演2では、鳥山佳則氏(東歯大)による「歯科衛生士のための歯科診療報酬入門」が行われた。はじめに、歯科点数表の構成や特徴を紹介。次いで、歯科衛生士が大きくかかわる「歯周治療」「周術期口腔機能管理」「在宅医療」の視点から、算定において覚えておくべき最低限の項目についてそれぞれ解説した。立ち見が出るなど熱気に包まれた会場では、熱心にメモを取る参加者が目立った。

 2日目の最後に行われた特別講演では、「地域包括ケア時代における歯科への期待 ―地域という"バーチャル病院"の同僚としての歯科衛生士や歯科医師の在り方―」と題し、川越正平氏(医師・千葉県開業)が登壇。これからの時代、地域を一つのバーチャル病院として機能させ、患者の待つ病棟、すなわち自宅や施設へ、さまざまな職種が横断的にかかわっていくべきだと言及。続けて、かかりつけ歯科が地域の食支援を司るとし、国民の「歯科=う蝕治療、義歯調整」というイメージがいまだに強いことを指摘したうえで、「歯科側からも、歯科は口腔ケアやリハビリテーション、食支援も担っているということを国民に発信してほしい」と訴えた。

 なお、次回の第13回学術大会は、きたる2018年9月15日(土)から17日(月)の3日間、福岡国際会議場(福岡県)において、天本和子大会長のもと開催予定。