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2017年10月8日

ヘルスケアミーティング2017開催

「変化を診るメインテナンス」をテーマに

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 さる10月8日(日)、9日(月)の両日、秋葉原コンベンションホール(東京都)において、日本ヘルスケア歯科学会(杉山精一代表)によるヘルスケアミーティング2017「変化を診るメインテナンス」が開催された。

 1日目はまず、「変化を診るために―現在の歯周治療とメインテナンスの考え方」と題し、藤木省三氏(兵庫県開業)が登壇。歯周病の病因論の変遷を振り返り、これまでの歯科医師中心の診療から、歯科医師と歯科衛生士、さらには受付や歯科助手などスタッフ全員がチームで行う診療にシフトしていかなければならないと言及。そのためには「記録」が必要だとし、サブカルテなど情報共有のツールを紹介した。

 つぎに高橋 啓氏(愛媛県開業)が「具体的に"変化を診る"とは?」の題で登壇し、変化を診るために自院で行っていることを口腔内写真、エックス線写真、歯周組織検査、サブカルテなどの各資料にしぼり詳説。他医院の事例も紹介されるなど、参加者は日々の臨床に役立つヒントを多く得たようだった。

 続いて、千草隆治氏(福岡県開業)による「中期症例を経験して気づく変化とは」、藤木氏による「長期経過メインテナンスからみえてくること―うまくいくメインテナンス、うまくいかないメインテナンス」では、症例とともに記録していることでみえてくるものが、それぞれ紹介された。なかでも、藤木氏は「スタッフの経験や医院の環境は皆違う。患者にとって何がいちばん良いのかを考えること。メインテナンスでは次に起こる問題は何かを、毎日記録を読み、考え続けることが重要」と結んだ。

 2日目の午前中は、高橋信博氏(東北大大学院歯学研究科口腔生物学講座口腔生化学分野教授)による「口腔マイクロバイオームの代謝機能"何がいるのか?"から"何をしているのか?"へ」と、福島正義氏(新潟大大学院医歯学研究科口腔保健分野教授)による「根面う蝕を知る―う蝕管理のターゲットは歯冠部から歯根部へ」の講演が行われた。

 午後には「変化を診るメインテナンス―カリエスマネジメントを中心に」と題し、田中正大氏(埼玉県開業)、斉藤 仁氏(北海道開業)から、どのようなポイントに留意し変化を診ているかがそれぞれ紹介された。それらの内容を受け、杉山代表(千葉県開業)による「カリエスリスクを知って変化を診る」の講演が行われた後、午前中に登壇した高橋氏、福島氏が加わり、ディスカッションが行われた。

 交流会や質疑応答では活発な意見交換がなされ、ポスター展示会場にも多くの参加者が集まるなど、会場には終始熱気が満ちていた。