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2017年10月26日

第147回日本歯科保存学会2017年秋季学術大会開催

「周術期口腔機能管理における保存診療」をテーマに

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 さる10月26日(木)、27日(金)の両日、マリオス(岩手県)において、第147回日本歯科保存学会2017年秋季学術大会、第19回日韓歯科保存学会学術大会(野田 守大会長、松尾敬志理事長)が「周術期口腔機能管理における保存診療 臨床的観点・基礎的観点から」を大会テーマに開催された。今大会では、日韓若手セッション、韓国招待講演、認定研修会、シンポジウム、特別講演に加え、研究発表や多数のポスター発表、企業展示が行われた。

 1日目は日韓若手セッションからはじまり、韓国招待講演ではDr. Byeong-Hoon Cho(ソウル大)が「Application of non-thermal atmospheric pressure plasma in dental adhesion」と題して講演。午後にはポスター発表に続き、「保存治療認定医/専門医に問う! Evidence basedな保存治療とは?」と題して、野杁由一郎氏(新潟大)による認定研修会の講演が行われた。

 2日目のシンポジウム「周術期口腔機能管理における保存診療 臨床的観点・基礎的観点から」では、まずコーディネーターの野田 守大会長(岩手医科大)より少子・高齢化社会を迎えた日本の疾病構造の変化に対応する歯科診療の必要性が述べられ、中居賢司氏(岩手県赤十字血液センター)が「有病者の歯科診療に必要な循環器疾患診療の現状と課題」と題し、在宅ケアも含む歯科診療全般で遭遇する循環器疾患患者が受けている治療の最新情報と歯科医師の理解すべき課題が概説され、真の包括的臨床の実現に向けた歯科から医科への情報発信の必要性が語られた。

 つぎに、齋藤正寛氏(東北大)が「口腔と全身の疾患を繋げる共通の標的:メカノバイオロジーを介した結合組織疾患発症機構の解析」と題して登壇。循環器疾患・呼吸器疾患・骨系統疾患の原因となる病的微細線維を引き起こすメカノバイオロジーの破綻機構の解明について、最先知見が語られた。その後、山崎 裕氏(北大)が「超高齢社会に対応できる歯学生教育」と題し、近年一新された北大の高齢者歯科学4年次の学生講義と、5~6年の実習カリキュラムの概要を紹介。地域包括システムでの活躍を視野に入れた教育カリキュラムの可能性が示唆された。

 また、午後の特別講演では「大学歯科初診外来から内科医として考えること」と題し、千葉俊美氏(岩手医科大)が登壇。有病者の歯科診療に必須の病歴把握に関して、患者の歩行、表情・顔色の観察からお薬手帳ほか各種健康手帳の活用にいたるまで、臨床家へのきわめて実際的なアドバイスが語られた。
 

 次回の第148回となる日本歯科保存学会2018年度春季学術大会は、石井信之氏(神歯大)の大会長のもと、横浜みなとみらいホール(神奈川県)を会場に、2018年6月14日(木)、15日(金)の日程で開催予定。