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2017年11月23日

東京オリンピック・パラリンピックに向けた講演会及びシンポジウム開催

講師に国際オリンピック委員を招聘

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 さる11月23日(木)、歯科医師会館において、東京オリンピック・パラリンピックに向けた講演会及びシンポジウム(日本歯科医師会主催、東京都歯科医師会/日本スポーツ歯科医学会共催)が開催され、多数の歯科医療関係者が参集した。

 まず会場では、宮本哲也氏(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会大会準備運営第一局医療サービス部長)と堀 憲郎氏(日本歯科医師会会長)による挨拶が行われた。

 その後、近藤尚知氏(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会大会準備運営第一局医療アドバイザー、岩手医科大補綴・インプラント学講座教授)による講演「オリンピック競技大会における歯科医師の役割―リオデジャネイロオリンピックの視察から―」が行われた。近藤氏は、2016年8月に行われたリオデジャネイロオリンピックの視察をもとに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのスタッフや施設に関する国際オリンピック委員会からの要望として、外国語のコミュニケーション能力をもち、歯科の専門性を理解している歯科医療従事者のボランティアの参加をはじめ、専門治療や口腔ケア、マウスガードを大量に製作できる設備の整備を挙げた。

 引き続き、小林慶太氏(日本歯科医師会常務理事)による講演「TOKYO2020に向けての歯科医師会としての取り組み」が行われ、現在、東京オリンピック・パラリンピック対策ワーキンググループを立ち上げて準備を進めていることなどが報告された。

 その後、Dr. Tony Cloughによる講演「トップアスリートのオーラルヘルス 見た目は健康、口の中は?」「オリンピックの競技会場における歯科プログラム 負傷したアスリートのマネジメント」、Dr. Paul M Piccininni(ともに国際オリンピック委員会委員)による講演「オリンピックにおける歯科プログラムの過去と状況そしてTOKYO2020に求めるもの」が行われた。その中でDr. Cloughは、スポーツと口腔の健康の影響について、とくにスポーツドリンクの過剰摂取による酸蝕症の影響に警鐘を鳴らすとともに、良い結果を残すためには日頃からの口腔の健康維持が必要不可欠であると述べた。また、Dr. Piccininniはアイスホッケーやバスケットボールといったコンタクトスポーツの動画を供覧しながら、パフォーマンス向上をはじめ、選手どうしの接触による歯牙の脱落や顎骨骨折などを避けるためのマウスガードの重要性を強調した。