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2017年11月26日

スタディグループ赤坂会、2017年度年末特別講演会を開催

船登彰芳氏が自身の臨床の軌跡を語りつくす

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 さる11月26日(日)、東京国際フォーラムD5(東京都)において、2017年度スタディグループ赤坂会(高田貴虎会長)年末特別講演会が、会場満席となる110名以上を集め盛大に開催された。

 まずは、赤坂会顧問の寺西邦彦氏(東京都開業)の開会の挨拶に引き続き、基調講演者の船登彰芳氏(石川県開業)が登壇。学生時代の話から始まり、自身が最初の歯科医院を開業してから金沢に移転するまでの足跡を振り返った。その後は、おもに天然歯における再生療法について解説。20年前後の貴重な長期症例を供覧しながら、治療のポイント、また反省点などに忌憚なく言及した。さらには、Dr. Cortellini、Dr, Zucchelliら海外の一流臨床医から学んだテクニックにも言及し、歯周外科療法のポイントを語るとともに、「なるべく切除療法よりも再生療法を選択している」といった、自身の治療指針を述べた。

 続いては、"インプラント編"と題し、各種インプラント治療症例を供覧。結合組織移植の有用性、また余剰セメントのリスクからスクリュー固定にこだわる自身のインプラントの選択などについて詳説した。さらには、インプラント周囲炎や、補綴物の破損といった、各種併発症を生じた症例も振り返って供覧し、会場の大きな関心を引いた。

 午後は、インプラント症例の併発症の中でも特に天然歯とインプラント補綴歯が離開してしまう「オープンコンタクトの問題」、また「インプラント以外の歯が移動してしまう問題」に焦点を当てて解説。咬合はダイナミックに変化を遂げるものであり、インプラントの骨格の成長・変化についても目を配るべきとのメッセージを発信した。

 講演後は船登氏への活発な質疑応答が行われたのち、3名の演者による会員発表が展開。吉田拓志氏(東京都開業)が「臼歯部咬合崩壊を伴った慢性歯周炎患者に包括的な治療を行った一症例」、新藤有道氏(東京都開業)が「Root submergence techniqueを応用した症例」、飯沼 学氏(東京都開業)が「インプラントをパーシャルデンチャーの支台歯として用いて機能回復を試みた症例」とのテーマでそれぞれ講演を行った。コメントを求められた船登氏も各演者の症例のレベルの高さに目を細めたほか、いずれも会場の大きな関心を集めるなど、盛況のうちに本会は幕を閉じた。