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2017年12月2日

JIADS30周年記念学術大会が開催

Dr.Myron Nevinsの講演ほか盛会となる

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 さる12月2日(土)、3日(日)の両日、ベルサール九段(東京都)において、JIADS30周年記念学術大会(浦野 智理事長)が開催され、歯科医師、歯科衛生士ら430名が参集し盛会となった。開会に先立ち、浦野理事長(大阪府開業)が登壇し、瀧野裕行新理事長(京都府開業)、高井康博新理事(広島県開業)、小野晴彦新理事(大分県開業)の3名が紹介され、それぞれが意気込みを述べた。

 1日目の午前は、「New Leader講演」と題して6名の歯科医師が登壇した。以下に演題・演者を示す。
「戦略的な根面被覆術」(尾野 誠氏、京都府勤務)
「再生療法を計画する際のポイント」(奈良嘉峰氏、神奈川県勤務)
「天然歯の保存にこだわる」(渥美克幸氏、埼玉県開業)
「生理的な歯槽骨形態獲得の重要性―天然歯、天然歯列保存のための再生療法の応用―」(関根 聡氏、埼玉県開業)
「上顎多数歯欠損部のインプラント治療における骨造成の改良方法とそのマテリアル」(根本康子氏、東京都開業)
「インプラントの審美的トラブルに対する対処法と予防策」(平山富興氏、大阪府開業)
 いずれの演者もJIADSのラーニングステージで学んだことを臨床に反映させ、患者の口腔内の改善につなげた症例を発表した。間違いなく次世代のJIADSを率いていくメンバーによる、基本を押さえ、JIADSのコンセプトに則った内容であった。
 
 午後は、JIADS創設者の小野善弘氏(JIADS顧問)が師事したDr.Myron Nevins(米国開業)の講演が4時間にわたって行われた。「THE ILLUSION OF ESTHETICS;WHAT ROLE DOES IT PLAY FOR PATIENT BENEFIT」の演題のもと、インプラントが登場して間もない1968年から2010年にわたる数多くの長期症例を発表した。患者の職業、居住地、家族構成といった背景とともに、それぞれの希望に応じて対応した治療の流れを供覧。氏がこれまでに携わってきた多くの症例の数々に、会場の参加者は皆圧倒されている様子であった。

 2日目の午前には、会員発表が行われた。下村容規氏(奈良県勤務)、佐藤昌徳氏(埼玉県勤務)、佐藤未奈子氏(歯科衛生士、千葉県勤務)、小谷洋平氏(大阪府勤務)、澤辺正規氏(東京都勤務)、玉野祐貴子氏(歯科衛生士、大阪府勤務)、畑中秀隆氏(茨城県開業)、北村忠丈氏(京都府開業)がそれぞれ講演。毎年選出される優秀賞は畑中氏が受賞し、講師陣やともに学んできた仲間への感謝の気持ちを述べた。

 午後には「JIADSがめざす歯科医療」と題して、5名が登壇した。猪子光晴氏(北海道開業)はGBRを成功に導くためには基本的な外科術式が重要であるとし、術中の動画を数多く交えて強調した。宮前守寛氏(大阪府開業)は包括的な治療の実践により予後良好な結果が得られたケースを提示した。
 続いて、歯科衛生士の高橋絢子氏(広島県勤務)は、中等度歯周炎患者と治療ゴールを共有し、ともにメインテナンスに励んだ症例を発表した。岩田光弘氏(岡山県開業)は、不正咬合を有する歯周炎患者に対して歯周治療、再生療法、矯正治療を併用した例を示し、その対応のポイントについて解説した。
 最後に佐々木猛氏(大阪府開業)が、天然歯とインプラントの共存のためには骨の形態を整えて歯と歯周組織、骨の連続性を獲得すること、そして清掃性を得ることがインプラント周囲環境を良くするためには重要であると述べた。

 今回の学術大会では、Dr.Nevinsの長時間にわたる講演を中心に、いずれの演者からも基本的な手技の順守と、先進の知識そしてテクニックが発表され、一同が刺激を受けた2日間であった。