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2017年12月9日

第21回(公社)日本顎顔面インプラント学会 総会・学術大会開催

PPIS Winter Meeting 2017 in TOYAMAも併催し、盛会となる

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 さる12月9日(土)、10日(日)の両日、富山国際会議場(富山県)において、第21回 公益社団法人 日本顎顔面インプラント学会 総会・学術大会(野口 誠大会長、瀬戸●(かん)一理事長)が「オールデンタルで臨む形態と機能の回復~脳と心の時代における顎顔面インプラント」をテーマに、約480名を集めて開催された。

 PPIS(Pan Pacific Implant Society)Winter Meeting 2017 in TOYAMAも併催された本会では、特別講演や招聘講演、教育講演、PPIS Symposiumだけでなく、ワークショップ、ミニシンポジウム、口演・ポスター発表、市民公開講座、ランチョンセミナーも行われ、2日間にわたってバラエティーに富んだセッションが組まれた。以下、メインプログラムとなるシンポジウムについて詳説する。

 シンポジウム1「オールデンタルで臨む顎顔面インプラント―先生のチームの治療計画を教えてください―」では、モデレーターを矢島安朝氏(東歯大)が務めた。矢島氏は演者である山下佳雄氏(佐賀大)、城戸寛史氏(福歯大)、伊藤太一氏(東歯大)に、顎顔面インプラント治療を必要としていた実際の患者の術前の状態を提示し、症例に対してそれぞれどのような治療計画を立案するかを即興的に語ってもらうという、シンポジストだけでなく聴衆にとってもエキサイティングな内容を展開させた。そして、保険適用されている顎顔面インプラント治療の症例は順次蓄積されつつあるが、その治療を受けた患者のメインテナンスについてはデータやエビデンスの集積が急務であることが再確認された。

 シンポジウム2「上顎欠損に対する広範囲顎骨支持型装置」では、福田雅幸氏(秋田大)、立川敬子氏(医歯大)が座長を務め、飯野光喜氏(山形大)、高野裕史氏(秋田大)、羽鳥仁志氏(昭和大)がそれぞれ保険適用されている広範囲顎骨支持型装置を用いた再建症例を供覧した。特に羽鳥氏は厚生労働省の指導医療官でもあり、保険収載されたテキストの読み解き方や、適用に至った背景なども詳説し、好評を博した。

 シンポジウム3「口腔・顎顔面インプラント治療と心身症~どう対応するか~」では、福田仁一氏(新百合ヶ丘総合病院)、式守道夫氏(公立学校共済組合北陸中央病院)が座長となり、式守氏、豊福 明氏(医歯大)、水木さとみ氏(多摩大大学院)、野原 茂氏(富山県立中央病院、精神科医)の4名が登壇。精神疾患患者が来院した際の対処法や医療面接時の話法および作法、さらに処方する薬剤など具体的な対策にまで言及され、ディスカッションでは質問があいつぎ、大会最後のプログラムながら時間をオーバーするほどの盛り上がりを見せた。

 広範囲顎骨支持型装置の治療ガイドラインの策定をテーマとしたワークショップが開かれるなど、学術大会をとおして保険収載されている顎顔面インプラント治療の地盤固めや、国民に保険医療として認知してもらうことを目指すという本会の姿勢がより鮮明となった。

 なお、第22回 総会・学術大会はきたる2018年12月1日(土)、2日(日)の両日、東京国際交流館(東京都)において開催される予定である。

[●は日へんに完]