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2018年3月9日

ソーシャル・スマートデンタルホスピタルキックオフシンポジウム開催

「均衡する医療情報の保護とAIによる利活用」をテーマに

 さる3月9日(金)、大阪大学銀杏会館(大阪府)において、ソーシャル・スマートデンタルホスピタルキックオフシンポジウム(以下、S2DH:村上伸也総責任者)が「均衡する医療情報の保護とAIによる利活用」をテーマに開催され、盛会となった。

 S2DHは、大阪大学歯学部附属病院、大阪大学サイバーメディアセンター、日本電気株式会社(以下、NEC)の3者が中心となってスタートした産学連携プロジェクトであり、3者が有する知識、技術を安全・安心に共有かつ創発し、「個人個人が医療を身近に感じることができ、自分にとって納得できるサービスを受けるために、自身も情報を発信し、お互いの情報で自分の健康を守る社会」をめざしている。
 
 当日は、林 美加子氏(阪大歯学部附属病院副病院長)の司会のもと、まず開会の辞として村上氏が登壇し、「S2DH構想は、医療情報というきわめて高いセキュリティを要するものを"守る"かつ"活用する"という相反することを推進する事業であるが、さまざまな見地からの知恵を出し合いながら、21世紀の新しい歯科医療を創出したい」と述べた。

 本シンポジウムは3部構成で行われ、PART1「情報科学技術の進化と医療情報の最先端」では、中村祐一氏(NECシステムプラットフォーム研究所所長)による基調講演「データを活用したAIによる社会貢献とプライバシ秘匿の両立をめざして」、松村泰志氏(阪大教授、医師)による招待講演「電子カルテを基盤とする多施設の臨床データの収集―追い風(ビッグデータ・AI)と向かい風(改正個人情報保護)の吹く中で―」がそれぞれ行われた。AIを使ったさまざまな社会貢献が実現されつつあるなか、とくに高い秘匿性が要求される診療データをどう管理するか、そのシステムと運用について解説がなされた。

 つづいて、PART2のミニシンポジウム「歯科口腔領域での情報科学技術」では、山城 隆氏(阪大教授)による「矯正歯科治療における機械学習と臨床への応用」、伊達 進氏(阪大サイバーメディアセンター准教授)による「S2DHを支える高性能データ分析基盤」、平岡慎一郎氏(阪大助教)による「人工知能を用いた、口内炎と口腔がんの鑑別診断システムの開発」、野崎一徳氏(阪大助教)による「データ同化技術を用いた歯の喪失シミュレーション」がそれぞれ行われ、AIを活用することで歯科においてどのようなことが可能になるのか、矯正歯科治療や口腔外科などでの具体的なシミュレーション例を提示しながら解説がなされた。

 最後に行われたPART3のパネルディスカッション「医療情報の機密保護の必要性とAIを介した有効活用の重要性」では、林氏と下條真司氏(阪大サイバーメディアセンターセンター長)の司会のもと、松村氏、中村氏のほか、黒田佑輝氏(弁護士)、岡村利彦氏(NECセキュリティ研究所主任研究員)、玉川裕夫氏(阪大准教授)が登壇し、今後の展望と課題について熱い議論が交わされた。