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2018年6月17日

阪大歯学部同窓会、第504回臨床談話会を開催

泉 英之氏によるCBCTとマイクロスコープを用いた最新の臨床が紹介される

 さる6月17日(日)、大阪大学歯学部記念会館(大阪府)において、第504回大阪大学歯学部同窓会・臨床談話会(同窓会会長:谷口 学氏)が、泉 英之氏(滋賀県開業)を講師に迎え開催された。泉氏は「CBCTとマイクロスコープで臨床をグレードアップ―見えなかったものを診る臨床―」と題し、示唆に富んだ講演を展開した。

 最初はCR修復をテーマとし、マイクロスコープを用いて精度の高い治療を行った症例を供覧。各種のバーを適材適所で使い分けるとともに、肉眼では難しい切削や、ボンディング材の使用について、動画とともにその重要点を詳説した。

 次に、「助かる歯髄、助からない歯髄」と題し、マイクロスコープを用いた強拡大視野下で露髄した歯髄を診断するポイントとその方法を解説。そのうえで、出血の有無、炎症の強さ、露髄の大きさなどだけでは歯髄の保存可否の指標にはならないと述べた。そして、マイクロスコープを用いて、歯髄の状態を視診で診断する大切さについて強調した。

 続いては、CBCT(コーンビームCT)を用いた、おもに根尖性歯周炎の診断について解説された。デンタルエックス線上で根尖性歯周炎が確認できなくても、実はCBCT上では診断できる病態は多く、その有用性について語った。そして、歯内療法において求められるCBCTの性能としては歯根膜腔が見えることが絶対条件だとする一方、それでも発見できない病変も少数ながら存在し、その診断力は100%万能ではないことも付言した。

 最後は狭窄・石灰化根管など、歯内療法における難症例へのアクセスに言及。狭窄した根管、石灰化した根管などはマイクロスコープを用いた強拡大視野下でもときに探すのが困難であると述べた。そのうえで、解剖学的傾向を参考にしたり、CBCTを注意深く診たりすることで、根管を発見する方法を紹介した。

 講演全体を通じて、マイクロスコープ、そしてCBCTを使わなければできない治療、そして、その出発点となる精緻な診査・診断に至るまで丁寧に解説され、終始充実した臨床談話会となった。