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2018年7月15日

(一社)日本インプラント臨床研究会、第13回全員発表研修会を開催

23題のポスター発表と106名の症例発表講演を

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 さる7月15日(日)、16日(月)の両日、熱海金城館(静岡県)において、一般社団法人日本インプラント臨床研究会(田中譲治会長)による第13回全員発表研修会が開催され、23題のポスター発表と106名の症例発表講演が行われた。本研修会は、「患者の信頼を得る真の実力を養うためには、みずから発表することが一番」をモットーに、原則として参加者全員が発表を行っている。

 本年度の会員による症例発表は、骨造成、即時埋入、デジタル歯科など15のテーマに分かれ、重鎮と呼ばれる演者から新進気鋭の若手までが熱のこもった講演を行った。発表には評価者により点数がつけられ、順位が発表された。以下にその結果を示す。
 1位:「マイナーGBRにおいて、私が日常行っている自家骨採取方法」(小倉隆一氏、栃木県開業)
 同1位:「インプラント治療における非吸収性の骨補填材を使用した骨造成の経年的骨量変化についての報告」(水口稔之氏、東京都開業)
 3位:「口腔内スキャナーのフルアーチ上下顎インプラント補綴への臨床応用」(田中譲治氏、千葉県開業)

 また、ポスター発表の1位は岩野義弘氏(東京都開業)の「審美障害を抱えた上顎前歯部に抜歯即時埋入を行った一症例」であった。

 1日目には全員発表のほか、シンポジウム「全員参加型ディスカッション」が行われた。骨移植材について、ガイデッドサージェリーについて、歯科経営についてなどのテーマに関する質問に対し、参加者全員が配布されたクリッカーによる回答を行い、その結果を即時に確認することができるというものである。自分以外の歯科医師がどのような選択をしているのか、またどのような意図でその選択を行っているのかを知ることができる貴重な機会であった。

 2日目には大久保力廣氏(鶴見大)による特別講演、「理想的な義歯を求めて ―補綴のアドバンスドテクニック―」が行われた。大久保氏は有床義歯治療において、「痛めない(適切な診断・設計・製作)、壊れない(金属床義歯)、削らない(機能的咬合印象)、嫌がらない(ピエゾグラフィー)、そしていつも快適であること」が重要と述べた。さらに、CAD/CAMデンチャーを用いることについても技工作業の効率化、臨床術式の簡略化などの利点を説明し、本当に患者に好まれる満足度の高い義歯とはどのようなものであるかについての解説がなされた。

 両日とも活発な質問が行われ、またときには経験豊富なベテランから若手へのアドバイスがなされ、会場には終始熱気が満ちていた。