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2018年9月15日

日本歯科衛生学会第13回学術大会開催

口から食べることの重要性について多方面から考える場に

 さる9月15日(土)から17日(月)の3日間、福岡国際会議場(福岡県)において、日本歯科衛生学会第13回学術大会(天本和子大会長、吉田直美学会長)が「口から食べる倖せの追求」をメインテーマに開催された。福岡での開催は第2回学術大会(2007年)以来の2度目となり、歯科衛生士を中心に約1,800名が参集した。本大会は、特別講演、教育講演、シンポジウム、口演発表、ポスター発表、ワークショップ、県民フォーラム、研究討論会など多彩なプログラムで進められた。

 2日目の特別講演では、「栄養状態から考える口腔と全身の健康―糖尿病と歯周病の関連を中心に―」と題し、西村英紀氏(九大大学院歯学研究院教授)が登壇。氏はまず、壮年期を中心とした過剰栄養の状態と、老年期を中心とした低栄養の状態を明確に区別したうえで糖尿病と歯周病の関連を考える必要があると主張。そのうえで、前者では免疫が活性化されることで炎症が起こりやすくなるため、歯周治療によってそれをおさえることが重要であると述べた。一方、後者では免疫がはたらきにくくなり感染を引き起こしやすくなるため、口腔ケアで感染源を除去することはもちろん、経口摂取によって栄養を得るとともに、インスリンの分泌作用を適切に促すことが重要であるとまとめた。

 最終日は、午前中にシンポジウム「口から食べる倖せの追求―地域包括ケア時代の多職種連携―」が行われた。まず、浜村明徳氏(医療法人共和会小倉リハビリテーション病院名誉院長)が基調講演を行い、地域包括ケアシステムの概念に触れ、専門職だけでなく、地域のさまざまな人々が参画することの重要性をあらためて強調した。その後、岩佐康行氏(社会医療法人原土井病院歯科部長)が歯科医師、大森政美氏(社会医療法人共愛会戸畑共立病院リハビリテーション科科長)が言語聴覚士、高野ひろみ氏(筑紫歯科医師会歯科医療連携室)が歯科衛生士の立場から、それぞれの現場で行っている取り組みについて紹介した。

 午後に行われた教育講演では、「口から食べて治癒力を高めよう」と題し、柿木保明氏(九歯大老年障害者歯科学分野教授)が登壇。氏はまず、3年前にくも膜下出血で倒れ、半年間入院したものの、後遺症もなく奇跡的に回復したことについて触れ、その経験を機に自然治癒力を高めることの重要性を再確認したと述べた。講演では、その方法について漢方などを含めた自然療法医学の観点から解説され、参加者の関心を集めた。

 なお、次回の第14回学術大会は、きたる2019年9月14日(土)から16日(月・祝)の3日間、ウインクあいち(愛知県)において、長縄弥生大会長のもと開催予定。