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2018年9月23日

九州臨床再生歯科研究会第27回学術講演会

さわる咬合、さわらない咬合 どうとらえる? どう扱う?

 さる9月23日(日)、福岡県歯科医師会館(福岡市)において、九州臨床再生歯科研究会(自見英治郎会長)の第27回学術講演会が開催された。「さわる咬合、さわらない咬合 どうとらえる? どう扱う?」と題し、今井俊広氏と今井真弓氏(ともに鳥取県開業)が登壇した。

 今井俊広氏はまず、生理的咬合、非生理的咬合、その中間の咬合(潜在性の非生理的咬合)があると述べた。静的咬合(咬頭嵌合位)と動的咬合(生理的機能運動)の2つが、顎関節・神経筋機構を通じて調和していること、また、広範囲な修復治療が必要な場合には、(1)顎関節・周囲組織の安定、(2)神経・筋機構の調和、(3)適正な咬合高径でのバーティカルストップの確立、(4)アンテリアガイダンス、を達成することが必要と解説。咬合再構成治療とは生体にとって楽に機能できる状態に治療することであると総括した。

 今井真弓氏は、LytleとSkurowの分類を用いて、補綴・修復が必要になってくる条件を解説。たとえば、歯周病が重度の場合には、歯周治療と患者のセルフケアで口腔内細菌叢を改善し、咬合の制御で、CRとICPのズレ(セントリックスライド)による負荷、作業側・非作業側や前方運動・前側方運動時での機能時の咬頭干渉をなくし、歯周環境および過剰な負荷の改善を行うことが、歯と歯周組織を保存するために重要と述べた。咀嚼での機能運動時とパラファンクションでの非機能運動時に、患者それぞれの回復能力を超えた力がかからない治療を目指し、生理的に許容できる荷重にすることを目指すことが必要であるとまとめた。

 また、咬合をさわるか、さわらないか、どこまでさわるか、の見極めは、患者のセルフケアでPCRが30%を下回るようになった段階で行うとのことであった。削合する咬合調整だけでなく、オーバーレイを用いて挺出させる方法、コンポジットレジンで足す調整、認知行動療法による改善(咬合をさわらない)などの治療例を示した。